PDCA日記 / PDCA Diary

継続は創造だ! / Continuity is Creation!

PDCA日記 / Diary Vol. 16「失敗との向き合い方がすべてを決める」/ "The way of coping with failure decides everything"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 16「失敗との向き合い方がすべてを決める」】
 
過去のPDCA日記でもお伝えしていますが、私は2002年からニューヨークに住んでいたことがあり、2001年9月に米国同時多発テロが発生した直後に赴任の話がありました。
 
他の人にも打診が行われたようですが、「テロが怖いから飛行機に乗りたくない」という理由でニューヨーク駐在を候補者達が拒否したらしく、私が火中の栗を拾う(?)ことになったわけです。
 
当時、「テロが怖くないのですか?」と聞かれることがありましたが、乗っている飛行機がハイジャックされる確率は限りなくゼロに近いと思っていました。
 
確率的に考えると、ニューヨーク行きの航空機内で事故に遭遇するよりも、東京で交通事故に遭う可能性の方がはるかに高く、オフィスから自宅まで歩いて通勤できる環境であるマンハッタンの方が、東京よりも「安全である」と統計上からも把握していました。
 
銀行で働いていたこともあってか、数字で考える癖がついている私としては、「航空機テロが怖いからニューヨーク赴任を断る」ことが合理的な判断とは思えませんでした。
 
結論からすると、マンハッタンは治安が大変良く、ハイジャックどころか、夜遅く歩いていても何の問題もない街で、非常に快適でした。
 
今回紹介する資料「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は、「同じ過ちを繰り返さないためにはどうすれば良いのか?」という命題に挑んでおり、「10人に1人の患者は医療ミスの被害者」と言われている医療業界に対して、航空業界で事故率が下がり続けている背景等を詳しく解説しています。
 

問題がなくならない医療業界と改善が続く航空業界の差は、「失敗との向き合い方」であると本書は力説してます。

 

あまりにも有名な「認知的不協和」がどのように発見されたかも、本書は詳しく述べており、心理学に興味がある人にもおすすめです。

 
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   
 
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

 

P.S. 私はチャレンジに直面している組織にコンサルタントとして入り、改善業務を行ってきたのですが、本書が解説している通り、「失敗との向き合い方がすべてを決める」と言っても過言ではないとつくづく感じています。

 

問題発生時、「すぐに経営陣まで上申され、組織全体に問題の根本原因と再発防止策が徹底される」場合、どのようなチャレンジであろうとも、克服できる可能性が高いと考えています。

 

一方、「問題が発覚して報告すると『非難される』リスクがあり、最後まで上申がなされない」組織であれば、どのような対策を打とうとも体質を変えない限り、改善を見込むのは困難だと感じています。

 

航空業界には「問題がすぐに報告され、事故の根本原因と再発防止策が業界全体に共有される」文化があります。

 

一方、医療業界は「問題が共有されない」傾向にあり、この体質が医療業界の高い事故率に繋がっていると今回紹介した「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は説明しています。

 
組織に所属していると、「経営陣が聞きたくないことは上申したくない」という心理に陥りがちだと思いますが、それを打開する手法として、悪いニュースを持ってきた部下に感謝するという方法があります。
 
実際にこれを行っている組織に私は過去遭遇したことがあり、経営者が「悪いニュースをありがとう」と実際に部下にお礼を言っていたのです(現在も、この企業は成長を続けています)。
 
また、当たり前と言えば当たり前ですが、ビジネスでは当たり前のことを当たり前にすることが中々難しいのですよね :-)。
 
 Mr. PDCAのボンジュール英語「認知的不協和 = cognitive dissonance」>
  
今回出てきた「認知的不協和」を英語にすると、「cognitive dissonance」となります。
 
認知的不協和が発見されたのは、あるカルト宗教団体の教祖による予言が外れた局面だったと今回紹介する資料「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は説明しています。
 
この教祖は「1954年12月21日に大洪水で地球は滅びる」と宣言していましたが、12月22日になっても何も起こらず、世界は平穏だったそうです。
 
教祖に心酔していた信者達は、「言っていたことと違うではないか!」と怒るどころか、「教祖のおかげで我々は助かったのだ」と現実を無理やり都合よく解釈したのです。
 
人間が過去に信じていたことについて、矛盾する現実に直面した場合、それを解消するために従来の考えを変更するのではなく、これまで信じていたことと矛盾が生じないように無理やり現実を解釈したり、操作したりすることが認知的不協和です。
 
「自分は認知的不協和など関係ない」と思っている人ほど認知的不協和の罠に入っているケースがあるため、一度本書を読んで認知的不協和が発見された状況を確認すると、認知的不協和の罠に陥らずにすむかもしれません :-)。
 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 16 "The way of coping with failure decides everything"
 

As I mentioned in the past PDCA Diary, I have been to New York since 2002 and this job assignment was offered immediately after the terrorist attacks in the US on September 11, 2001.

 

It seemed that there were other candidates, but they refused to go to New York due to the risk of airplane terrorism.

 

When I accepted this offer, some collegues asked me that "Are you not afraid of terrorism?"

 

At this time, I thought that the probability of riding on hijacked planes was almost zero.

 

From a probabilistic perspective, it was much more likely to meet a traffic accident in Tokyo than I would encounter an accident on an airplane bound for New York

 

In conclusion, Manhattan was very comfortable and nothing happened during my assignment in New York.

 

The material to be introduced today “Black Box Thinking: Why Most People Never Learn from Their Mistakes--But Some Do” explaines “How we can avoid repeating the same mistake” and the following contents were impressive.

 

"In the medical industry, one out of ten is said to be the victim of medical errors.

 

On the other hand, the accident rate has been decreasing in the aviation industry."

 

This book emphasizes that the difference between the medical industry and the aviation industry is "how to face failure".

 

This material also describes in detail how cognitive dissonance was discovered, so it is recommended for those who are interested in psychology.

 

Let's function PDCA today! 

Black Box Thinking: Why Most People Never Learn from Their Mistakes--But Some Do

Black Box Thinking: Why Most People Never Learn from Their Mistakes--But Some Do

 
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