PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 21「所属欲求とマージン」/ "Belonging Desire & Margin"

English follows Japanese.

 PDCA日記 Vol. 21「所属の欲求とマージン」】
 
私が学生に戻っていた10年前、色々な授業で「マズローの欲求階層」を耳にすることがあり、「かなり昔の理論であるにもかかわらず、今でも利用されているのだなぁ~」と感じたことを覚えています。
 
マズローの欲求階層説」はご存知の方も多いと思いますが、①生理的欲求、②安全欲求、③所属要求、④承認要求、⑤自己実現欲求の5段階に分かれており、詳細はマズローの書著「人間性の心理学」で解説されています。
 
今回のPDCA日記のテーマは③所属欲求であり、人間は食事や睡眠が取れるようになると(①と②が満たされると)、家族や学校、組織に「所属したいという欲求が出てくる」とマズローは言います。
 
自営業者の場合、1人で仕事をしているためか「どこにも所属していない人」と見られがちであり、官庁や大企業に所属している人の社会的地位が比較的高い背景には、日本が所属欲求の強い社会であることの裏返しかもしれません。
 
今回紹介する資料「吉本興業を創った人々は、吉本興行の創業者である吉本泰三と吉本せいの生涯を描いた資料であり、現在のエンターテインメント帝国の礎となった背景が垣間見れる一冊です
 
事業に失敗した吉本泰三に対して、妻のせいが寄席の経営を勧めたことによって吉本興行は誕生したと本書は説明しており、以下のフレーズが印象的でした。
 
「大阪の寄席のほとんどを支配下に収め、落語会を統一した吉本が次に打ち出したのは、傘下に入った芸人のすべてを専属とし、月給制にするという方策だった。
 
それまでは生活に保障がなく、いわば浮草稼業だった芸人たちは大歓迎だったが、吉本はこれによって、芸人を組織の中にがっちりと抱え込んだ。
 
芸人の専属・月給制は、今日の吉本にも受け継がれている(P50)」(引用終わり)
 
現在の吉本の芸人も専属であることが知られていますが、1930年代にこの制度が登場するまでは、芸人が事務所に所属することなくフリーで活動していたことが本書から読み取れます。
 
事務所に所属することのメリットとして、各メディアとの予定調整や税務処理等があると思いますが、インターネットが発達している現在では、フリーで活動することのメリットが大きいように感じています。
 
ビジネスパーソンでも会社員の場合、所属の欲求は満たされるかもしれませんが、社会保険や税金が無条件で引き落とされます。
 
一度自営を始めてみると痛感しますが、会社員の社会保険や税金は非常に高く、色々な意味でフリーランスは優遇を受けているのは事実だと思います(学校では、決してこのことを教えてくれない :-)。
 
所属の欲求を優先するか、大きなマージンを取られない世界である自営を始めるかは人ぞれぞれですが、両方経験しておくのはよいことだと感じる夏の朝です 🎐。
 
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!  
 
吉本興業を創った人々 (PHP文庫)

吉本興業を創った人々 (PHP文庫)

 
P.S. 「所属」をテーマの文章を書いていると、なぜかアメリカの自動車ディーラーのことを思い出しました。
 
アメリカの自動車ディーラーはあらゆるブランドの車を取り扱っていますが、日本の場合、トヨタならトヨタ、日産なら日産という感じでメーカーごとの車を扱っているディーラーが多くなっています。
 
これはいわゆる系列(英語だと「KEIRETSU」)が影響しているとされていますが、日本の自動車ディーラーの場合、系列自動車会社に所属していることが多くなっているわけです。
 
ただ、自動車ディーラーにも変革の動きがあるようでトヨタは4系列あったディーラーを統合し、東京では2019年4月1日から「トヨタモビリティ東京」になっています。
 
東京で、トヨペットネッツトヨタを「最近見かけないなぁ~」と思っていたけれど、そういうことだったのですね :-)。
 
東京以外の地域については、メーカーに依存していない販売会社が多いこともあって、現時点では統合されていないそうですが、それでも将来的には全車を取り扱う方向性で進んでいるようです。
 
マズローの所属の欲求の話から、自動車ディーラーの現在に話が及んだ珍しいPDCA日記でした :-)。
 
 Mr. PDCAのボンジュール英語「専属 = exclusive」>
 
今回出てきた「専属」を英語にすると、「exclusive」になります。
 
「Exclusive agreement」で「専属契約」となり、他とは契約できなくなることを意味し、外資系企業等で働いていると「exclusive」という単語はよく見聞きします。
 
「Exclusive」には「専属」以外にも、「排他的な」、「高級な」、「上流階級の」などの閉鎖的なイメージがある意味があります。
 
「An exclusive restaurant」と表現すると特定の人しか入れない「高級レストラン」という意味になり、英語は同じ単語でも意味が変わってくることを感じられますね :-)。


"PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 21 "Belonging Desire & Margin"】
 

Ten years ago when I returned to school, I heard about "Maslow's hierarchy of needs" in various classes.

 

Many people must be familiar with "Maslow's hierarchy of needs", but it is divided into the following five stages.

 

1. Physiological needs, 2. Safety needs, 3. Social belonging, 4. Self-esteem, 5. Self-actualization 

You can see the details of "Maslow's hierarchy of needs" in the book "A Theory of Human Motivation (English Edition)".

 

In case of self-employed business persons, their priority is being free rather than belonging the organization.

 

The advantage of self-employment is that a margin for social security, taxes, etc is relatively thinner than corporate employees.

 

It is very interesting, but the social status of those who belong to government offices or large companies are relatively high.

 

The material to be introduced today “People who created Yoshimoto (Japanese only)” depicts the life of Yoshimoto Taizo, the founder of Yoshimoto Holdings, Japan's entertainment giant.

 

According to this book, Yoshimoto started exclusive agreement with comedians around 1930 and until then most of comedians had not been belonged to the organization.

 

People might think that comedians don't care about "Social belonging", but they are also human beings and Maslow's theory seems applicable to them.

 
Let's function PDCA today!  
A Theory of Human Motivation (English Edition)

A Theory of Human Motivation (English Edition)

 
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