English follows Japanese.
【 PDCA日記 Vol. 32「授業と現実の違い」】
学生時代に教授が述べていたことと、現実のビジネスの違いを感じることが、時々あります。
今回紹介する資料「最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実」を読みながら、刑法の授業で聞いた「特別背任」についてのことを思い出しました。
特別背任とは、企業経営者など組織運営上、重要な立場にある人が、自分自身か第三者の利益を追求するため、もしくは組織に損害を与える目的で、担当業務にそむく行為を行い、財産上の損害を組織に与えた時に成立する財産犯の一つです。
私が刑法の授業で、「バブル崩壊後、不良債権化する可能性が高い融資を行った銀行幹部は特別背任に問われないのか?」と質問したところ、元検事の教授が「問われない」とはっきりと回答したことを覚えています。
バブル崩壊による巨額の不良債権発生について、何人かの金融機関幹部が刑事責任を問われましたが、大手銀行の経営者で刑務者に収監されたのは本書の筆者である河谷氏だけです。
「ずさんな融資で特別背任に問うことはできない」と私に回答した教授の考えは概ね正しかったようですが、どのようなことでも例外はあると感じた一冊でした。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
- 作者: 河谷禎昌
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/02/07
- メディア: 単行本
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「この年齢になってつくづく感じるのは、年金には、『お金の年金』だけではなく、『人の年金』もあるのだな、ということです。
お金の年金もさることながら、人の年金はとてもありがたいものです。(P269)」(引用終わり)
銀行のトップである頭取に就任し、身を粉にして働いたつもりが、晩年に刑務所で過ごすという波瀾万丈の人生を送った河谷氏ですが、「明るく元気に」をモットーに今は活躍されているようです。
過去に色々とあっても、今を明るく元気に生きることが重要であると改めて感じた一冊でした :-)。
< Mr. PDCAのボンジュール英語「背任」 = 「breach of trust」>
今回出てきた「背任」の英訳は、「breach of trust」になります。
「Breach」は「違反、不履行」を意味し、「breach of trust」で「信用への不履行」ということで「背任」となるわけですね。
「背任」を日本語で読んだり聞いたりすると、意味が分かりにくいかもしれませんが、「breach of trust」で一緒に覚えておくと、明確で便利ですね :-)。
日本語よりも英語の方が意味がわかりやすいケースが時々ありますが、「背任」と「breach of trust」は、その例かもしれません。
【"PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 32 "Difference between Class & Reality"】
I sometimes feel the difference between what the professor mentioned during my student days and the actual business scenes.
While reading the material to be introduced today “The last head of Japanese bank”, it reminded me about the scheme of "breach of trust" in the criminal law class.
"Breach of trust" is one of the property crimes when senior persons who are in important positions in organization, such as CEO, act against his / her duties for the purpose of pursuing the profits by damaging the organization.
I asked in a criminal law class to the professor that “Bank executives have been providing loans that had a high possibility of becoming bad loans after the collapse of the bubble economy in Japan around 1990. Could these seniors be guilty as breach of trust?"
That professor clearly replied that "No, they could not be. Because, breach of trust would be admitted when these seniors had clear intentions to damage the organization."
Some executives at financial institutions were charged with for the occurrence of huge bad debts due to the bursting of the bubble, but only the author of this book, Mr. Kawatani, was imprisoned due to breach of trust.
The professor who replied to me 20 years ago was generally correct, but I felt that there was an exception to anything by reading this book.
Let's function PDCA today!