English follows Japanese,
【PDCA日記 Vol. 79「生存者バイアスの論理」】
「社会保障は弱者を保護するために存在するのではない。為政者を守るために作られたものだ。」
上記の言葉は、私が学生に戻っていた頃、ある経済学の授業で教授が話していたことです。
社会保障が存在しなければ、失業している人などの社会的弱者が現在の仕組みに対して反発する可能性があり、政治体制を変えようとする動きが出てくるかもしれません。
失業した場合であっても、失業給付が支給されることによって、次の仕事を探すまでの一定期間は収入を確保することが可能です。
失業給付がない場合、仕事を見つけるのが困難な状況で無収入という非常にチャレンジングな状況に陥り、社会の体制に不満を持っても不思議ではないでしょう。
皆様は、「生存者バイアス」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか？
今回紹介する資料「ただいま、日本」は、「生存者バイアス」について以下のように説明しています。
「過酷な環境をくぐり抜け、勝者（生存者）となった者の論理だけが傾聴に値すべきものとして評価されてしまい、勝者となれなかった者の意見には耳を傾けてもらえる機会さえほとんどないという現象のことだ。（P127）」（引用終わり）
筆者の乙武氏と私はほぼ同年代ですが、チャレンジを抱えつつも 「五体不満足」が大ヒットし、政治家への道を模索しながらも、スキャンダルですべてを失って、人生をリセットすべく世界中を回った旅行記が、今回紹介する資料「ただいま、日本」です。
バリアフリーが整備されておらず、車椅子での旅行は難しいと言われているキューバに、隣国ジャマイカからフェリーで移動する手法を利用するなど、「どのような状況でもあきらめずにチャレンジする」ことの重要性を、本書から学べたような気がします。
前述の失業給付もバリアフリーもそうですが、仕組みを整備した人の大部分は失業を経験したことがなく、ハンディキャップを持っていない健常者であるケースであるような気がしています。
私自身、しばらくハローワークに通ったことがありますが、とてもよい経験だったと考えています。
このPDCA日記で、日本は社会保障が整備されている社会であることを常々お伝えしていますが、これは私の実体験に基づいています :-)。
PDCA日記の読者の大部分は会社員の方々だと思いますが、かなり大きな額を毎月の給与から社会保障費として天引きされています。
きちんと費用負担をしているのですから、チャレンジに陥った時や行政からのサポートが必要な場合は、かつての私のように堂々と社会保障に頼りましょう :-)。
それでは、本日もPDCAを回していきましょう！
PDCA日記が更新されたら通知が欲しいという方がいましたので、そのような場合は Twitter をご利用ください :-)。https://twitter.com/MPdca
- 作者: 乙武洋匡
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2019/07/26
- メディア: 単行本（ソフトカバー）
- この商品を含むブログを見る
P.S. 今回紹介した資料「ただいま、日本」では、2012年のロンドン・パラリンピックですべてのチケットを完売した手法について紹介されています。
2020年の東京オリンピックのチケットが中々取れないことが話題になっていますが、パラリンピックのチケットが完売したのは、後にも先にも2012年のロンドン・オリンピックだけだそうです。
2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックでは、チケットが売れ残ったそうで、2020年の東京パラリンピックのチケットが完売するかどうかは、関係者の手腕にかかっていると言えそうです。
本書によると、ロンドン・パラリンピックでチケットを完売できた背景について、以下のように説明しています。
「手に入れやすさ、手頃な価格設定、収益の三本柱の戦略としてPRを行った。
たとえば、大規模なイベントにありがちなチケットの無料配布は、チケットの価値を下げるため、絶対に行わなかった。
チケットを価値のあるものとして人々に買ってもらうことが大切だからだ。（P24）」（引用終わり）
東京パラリンピックの関係者には、是非「ただいま、日本」を熟読して頂きたいものです :-)。
＜Mr. PDCAのボンジュール英語「失業給付」=「unemployement benefit」＞
今回出てきた「失業給付」の英訳は、「unemployement benefit」になります。
「Unemployement benefit」以外では、「unemployement compensation」という表現でも「失業給付」になります。
「Compensation」には「補償、賠償」以外にも、「給与、支払い」という意味があり、外資系企業で働くとよく耳にする単語であるため、覚えておくと便利な表現ですね :-)。
【PDCA Diary Vol. 79 "Logic of Survival Bias"】
“Social security does not exist to protect socially disadvantaged people. It was created to protect the government.”
The above is what the professor was mentioning in an economics class when I was at business school.
Without social security, socially vulnerable people, such as those who are unemployed, may be repelled by the current system, and there may be a movement to change the political system.
Even if you are unemployed, it is possible to secure income for a certain period until you find the next job by receiving unemployment benefits.
If you don't have unemployment benefits, it's no wonder that you're in a very challenging situation.
Have you ever heard of the term “survival bias”?
The material to be introduced today “I am home, Japan (Japanese only)” explains “survival bias” as follows.
“Survival bias is the logic created by those who passed through the challenging environment and became a winner (survivor).
Therefore, there was little opportunity to listen to the opinions of those who could not survive.” (Unquote)
Let's function PDCA cycle today!
In case you would like to receive a notice at the time of PDCA Diary post, please utilize Twitter :-). https://twitter.com/MPdca
