PDCA日記 / PDCA Diary

継続は創造だ! / Continuity is Creation!

PDCA日記 / Diary Vol. 85「過去からはわからない?」/ "Can not confirm from the past?"

English follows Japanese,

 

PDCA日記 Vol. 85「過去からはわからない?」】

 

私は金融機関で長らく勤めていましたが、エコノミストやアナリストなどから「過去のデータによると~」という類(たぐい)のレポートを大量に受け取り、かなり読み込んでいた方だと思っています。

 

経済学や統計学の専門家である彼ら、彼女らのレポートは読み物として面白いこともありましたが、「過去はこうだったが、未来は不明」ということが基本的な路線だったように感じています。

 

今回紹介する資料「ブラック・スワン」は、過去のPDCA日記で紹介した「反脆弱性」の著者でもあるナシーム・ニコラス・タレブによる最も有名な書籍で、「過去からどれだけのことがわかるか、私たちにはわからないのだ(P104)」と説明しています。

 

「オーストラリアが発見されるまで、旧世界の人たちは白鳥と言えばすべて白いものだと信じて疑わなかった(P3)」と本書の冒頭で述べている通り、人間は目で見てきたもの、経験にとらわれて行動します。

 

そのため、予想外の事態に遭遇するとパニックに陥り、どうしたらよいか分からなくなるとタレブは指摘しています。

 

1912年に、当時世界最悪の海難事故となったタイタニック号の船長だったE・J・スミスは、「私は難破船を見かけたことは一度もないし、自分が難破したこともない。災害になりそうな窮地に追い込まれたことすら一度もない(P91)」と1907年に語っています。

 

アメリカの不動産市場は上がり続けているから、レバレッジをもっとかけて投資をして利益を上げよう」と考え、2008年の金融危機天文学的な損失を計上し、国有化された米国の某大手銀行など、「過去に起こったことがないから」という理由でリスクを取り続ける人間の習性に対して、タレブは警報をならしています。

 

タレブが唱えている通り、「過去からどれだけのことがわかるか、私たちにはわからない」ということをわかっておくだけでもリスクを軽減できるようです。

 

それでは、本日もPDCAを回していきましょう!

 

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ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

 

P.S.「アメリカの不動産価格は絶対に下落しない」、「ユーロ危機は絶対に起こらない」という言葉を私は金融機関勤務時代に何度も聞きましたが、2008年の金融危機アメリカの不動産価格は暴落し、2009年にギリシャ危機が発生して、ユーロ危機が現実のものになったのでした。

 

ポイントは「絶対」という言葉であり、人間が作り上げた仕組みにおいて「絶対」は存在しないため、「絶対」という言葉がついていることは疑った方が良いということでしょう。

 

ビジネスにおいても、「絶対」という言葉は避ける方が良く、金融機関において「絶対にこの商品は上がります」と営業担当者が言った時点で大きなトラブルになる可能性がありますので、注意が必要になりますね(最近はそういう人はいないようですが)。

 

話はかわりますが、今回紹介した書籍と同じタイトルの映画「ブラック・スワン」はおすすめの映画です。

 

主演のナタリー・ポートマンの演技が最高で、バレエ好きにはうってつけの映画と言えるでしょう。

 

私もニューヨークで働いていた時、リンカーン・センター(バレエ専用劇場)でよくバレエをお客様と鑑賞したものでした(ベタですが、「白鳥の湖」は本当に素晴らしかった)。

 

ニューヨークに旅行をされる方は、ミュージカルだけではなく、是非バレエも鑑賞してみて下さい :-)。

 

<Mr. PDCAのボンジュール英語「予想外の」=「unexpected」>

 

今回出てきた「予想外の」を英語にすると、「unexpected」となります。

 

「彼が起業するなんて予想外だった」を英語にする場合、「It was unexpected that he started his own business」という感じでしょうか :-)。

 

 

PDCA Diary Vol. 85 "Can not confirm from the past?"】

 

I worked at financial institution for a long time and I had read a lot of reports written by from economists and analysts.

 

Although they were experts in economics and statistics, the basic contents were saying that “the past was like this, but the future is unknown”.

 

The material to be introduced today “The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable” is written by Mr. Nassim Nicholas Taleb and it is very popular among people in the finance field.

 

This book reiterates that "We don't know how much we know from the past" and the following phrase was impressive.

 

“Before Australia was discovered, people in the old world believed that swans were all white.”

 

As stated at the beginning of this book, human beings tend to believe only what they have seen with their eyes.

 

As Mr. Taleb advocates, by knowing "We don't know how much we know from the past", we might be able to reduce the risk for life :-).

 

Let's function PDCA cycle today!

 

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The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable

The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable

 
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