【PDCA日記 Vol. 126「できないことをできると言う文化」】

- 作者: トルストイ,木村浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
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・分からないことを「分からない」と言いにくい雰囲気がある。
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事業再生の専門家でもある彼女の話を聞きながら、今週月曜日(2019年12月2日)に行われた日産の新経営陣記者会見で、内田社長が「できないことを『できる』と言わせてしまう文化を、いつの間にか作り上げてしまった」と、自己反省していたことを思い出しました。
「できないことを『できる』と言わせてしまう文化」がはびこってしまうと、顧客のためにならないことであっても、「上層部に言われたから『できる(やらなければならない)』」と社内に伝達されがちです。
また、コンプライアンス違反のような組織を揺るがす可能性があるプロセスであっても、まかり通ってしまうリスクを抱えることになります。
今回紹介する資料「会計と犯罪」は、「郵便不正から日産ゴーン事件まで」を会計士の視点から解説しています。
本書では、ゴーン事件について、「会計上問題はないのではないか?」という問題提起をしており、多くのメディアとは異なる見解をしていたことが印象的でした。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
PDCA日記が更新されたら通知が欲しいという方がいましたので、そのような場合は Twitter をご利用ください :-)。https://twitter.com/MPdca
P.S. PDCAカフェに来られる方の中で、「コンプライアンス違反を指示された場合はどうするべきか?」と質問された方がいました。
ビジネススクールの「経営法学」という授業で、「コンプライアンス違反を指示された時の対応」に関するケースがあり、教授は「取るべき行動」を以下のように生徒に伝えました。
「社内であっても、社外であっても、自分が参加している会議などでコンプライアンス違反の指示があった場合、まず行うことがある。
『そんなことはできません!』とはっきりと伝えて、その場を立ち去ることである。
そして、すぐに職場の管理部門に連絡を取り、コンプライアンス違反の指示が行われたことを報告する。」(教授コメント終わり)
この教授の話を聞いて、「なるほどなぁ」と思いましたが、実際にそのような現場に直面した場合、上記なような行動をすぐに取れる人は、それほど多くないような気がしています。
「服従の心理」を著したミルグラムは、人間が権力者からの指示を拒否することの難しさを、「ミルグラム実験」で確認しました。
伝統的な日本企業の場合、従業員の忠誠心が強いことが知られています。
忠誠心を持つことは、「諸刃の剣」であるような気が私はしていますが、コンプライアンスや倫理の問題について、組織ぐるみの問題を抱えている会社に身を置いてしまった場合、すぐに立ち去る勇気をもつことが、ビジネスパーソンとしてのバランス感覚だと言えるでしょう。
P.S.2 全然関係ありませんが、日産の内田社長の「できないことを『できる』と言わせてしまう文化を、いつの間にか作り上げてしまった」というコメントを聞いて、不朽の名作漫画「北斗の拳」に登場する主人公ケンシロウの養父リュウケンが、世紀末覇者ラオウとの戦いに挑んだ際の言葉を思い出しました。
「恐ろしい男よ。私は恐ろしい男を作り上げてしまった!」(リュウケン・コメント終わり)
(Mr. PDCAの「北斗の拳」解説)このコメントの後、リュウケンは北斗神拳奥義「七星点心」を繰り出し、ラオウをあと一歩のところまで追い詰めます。
しかし、持病の発作がここで出てしまい、自ら育て上げた養子ラオウの手によって、リュウケンは倒れるのだった~!(北斗の拳の予告ナレーション風に ♪)
< Mr. PDCAのボンジュール英語「諸刃の剣」=「double-edged sword」>
今回出てきた「諸刃の剣」の英訳は、「double-edged sword」になります。
「日本企業の従業員が持っている忠誠心は、諸刃の剣であると私は考えている」を英語にする場合、「I suppose that the loyalty of employees at Japanese companies is a double-edged sword」とすればよいですね :-)。
冒頭に紹介した「アンナ・カレーニナ」は映画版もあり、「さすがロシア小説👗」という感じで、美しい作品に仕上がっています :-)。

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年末年始に、「戦争と平和」を含め、トルストイの大著に挑戦してみてはいかがでしょうか?
私は、トルストイを結構読み込んでいるため、読破された方はPDCAカフェでお待ちしております☕。

- 作者: トルストイ,工藤精一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/08
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【PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 126 "Culture people say they can do impossible things"】
"Happy families are all alike; every unhappy family is unhappy in its own way."
The above is a quote that appears at the beginning of Tolstoy's novel "Anna Karenina".

Anna Karenina (Oxford World's Classics)
- 作者: Leo Tolstoy,Rosamund Bartlett
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 2016/06/01
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When I met one strategy consultant the other day, she was saying this.
“Mr. PDCA, Tolstoy said 'Happy families are all alike; every unhappy family is unhappy in its own way,' but in terms of corporate organization, I suppose that challenging companies are all alike."
According to this consultant, there are the following characteristics of companies that have challenges.
・ Employees do not greet.
・ The office clock is early or late by more than 5 minutes.
・ The office is cluttered and the bathrooms are not cleaned properly.
・ Compliance awareness is low, and there is an air that “It is OK if others don't notice unethical behaviors.
・ There is an atmosphere that makes it difficult to say "I don't understand that".
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While listening to her story, I recalled the new management press conference of Nissan Motors this Monday (December 2nd, 2019).
New CEO of Nissan Motors, Mr. Uchida said that “There was a culture that employees are saying that something they cannot implement."
The material to be introduced today “Accounting & Crime (Japanese only)” explains “Postal Fraud to Nissan Ghosn Cases” from the perspective of an accountant.
Let's function PDCA today!
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