PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 180「通帳1枚200円かかる?」/ "Bank books cost $2?"

English follows Japanese,

 

PDCA日記 Vol. 180「通帳1枚200円かかる?」】

  

私の最初の仕事は、プライベートバンカーという富裕層向けに金融商品を販売する業務であり、今でもこの業界の方々とは、時々連絡を取っています。

 

プライベートバンクのメッカはスイスであり、日本でもスイス系のプライベートバンクがビジネスを拡大しています。

 

日本では、米系のプライベートバンクが軒並み撤退している中で、スイスのプライベートバンクは長期のリレーションシップを重視するため、日本の富裕層でも取引する人が増えているようです。

 

スイス系のプライベートバンクに勤めている友人によると、マイナス金利になっている円やユーロ、スイスフランなどの預かり資産を増やすことは、「査定でマイナスの評価になる」そうです。

 

そのため、プライベートバンカーたちは、若干でも金利のつく米ドルなどの通貨や投資信託などの金融商品への投資を顧客にすすめるわけですが、これができるのは、基本的に外資系金融機関だけです。

 

大量の円を抱え込んでいる日本の銀行でも、本音では「円を預けて欲しくない」と思っていますが、銀行システムの公共性が強く意識されている日本では、「円預金口座は誰でも無料で開設できる」という慣習が長らく続いています(ようやく、変化が起ころうとしていますが :-)。

 

そのため、口座維持手数料などの形でマイナス金利のコストを、銀行が顧客に負担してもらうことは、日本においてはかなりチャレンジングになっています。

 

今回紹介する資料「お金の未来年表」は、「預金には膨大なコストがかかる」部分で、以下のような興味深いことを紹介しています。

 

「じつは通帳1冊ごとに毎年200円の印紙税がかかっているのです。

 

口座数が最も多い三菱UFJ銀行には、約4,000万の口座があるといわれているので、単純に計算をすると、同行にとって印紙税だけで約80億円の負担がかかっていることがわかります。」(引用終わり)

 

最近は、通帳を発行しない銀行もあり、この背景にはコスト削減があったのですね。

 

また、印紙税に加えて、通帳自体もコストであり、通帳に対応するためのATMを維持するためにもお金がかかっており、銀行にとって円預金は大変なコストになっているわけです。

 

マイナス金利の副作用として、金融機関への影響がメディアなどで語られることがありますが、印紙税というコストを知っておくと、これらの報道が違った側面から観察できるかもしれませんね。

 

それでは、本日もPDCAを回していきましょう!

 

お金の未来年表 (SB新書)

お金の未来年表 (SB新書)

 

  

P.S. 「通帳がない場合、入出金詳細をどうやって確認するのだ?」とコメントされた方がいましたが、ウェブ上の明細を見れば確認できます(当たり前だけれど :-)。

 

また、外国人からすると、「日本の銀行のキャッシュカードに利用期限がないのは違和感がある」そうです。

 

海外で銀行口座を持ったことがある方はお分かりだと思いますが、発行されたキャッシュカードには利用期限が印字されています。

 

仕組みとしては、日本のクレジットカードと基本的に同じであり、海外の銀行のキャッシュカードは利用期限が近づくと、新しいカードが郵送されてきます。

 

色々な意味で、日本の銀行が行っているオペレーションは、海外から見ると摩訶不思議に映るようですね :-)。

 

<Mr. PDCAのボンジュール英語「通帳」=「bank book」>

 

今回出てきた「通帳」を英語にすると、「bank book」となります。

 

中々分かりやすい訳だと思いますが、イギリスなどでは、過去に通帳が利用されていたようです。

 

現在では、通帳を使っている先進国は日本だけのようです。


日本において、通帳を利用している人が多いということは、何らかの意味があるのかもしれません。


ただ、かかっているコストは預金者が負担しているので、何らかの形で改善が必要な局面になっているのでしょうね :-)。

 

 

PDCA Diary Vol. 180 "Bank books cost $2?"】

 

My first job was to sell financial products to wealthy individuals as a private banker and I still occasionally contact people in this industry.

 

The private bank center is Switzerland, and Swiss private banks are expanding their business in Japan.

 

As American private banks have withdrawn from Japan, Swiss private banks have been emphasizing on long-term relationships, so it seems that more and more people in Japan are also trading with Swiss players.

 

According to my friend who works for a Swiss private bank, increasing deposits such as yen, euros, and Swiss francs that have negative interest rates will be negatively assessed due to the increase of cost.

 

For this reason, private bankers recommend customers currencies with slightly higher interest rates such as US dollars and investment trusts, but basically this strategy is applicable only for foreign financial institutions (Non-Japanese players).

 

Even Japanese banks who are holding large amounts of yen think that they really don't want to own yen.

 

However, it is quite challenging in Japan to ask customers to pay the negative interest cost in the form of account maintenance fees.

 

The material to be introduced today “Future Chronology of Money (Japanese only)” reiterates that “Stamp tax of $2 is charged for each bank book".

 

In Japan, banks are issuing bank books to each depositor and it costs $2 per bank book.

 

The total amount of cost would be very expensive, but Japanese banks have no solution since they cannot ask customers to pay.

 

Most of Japanese people are not realizing, but they are paying the cost of bank books by themselves due to this traditional custom.

 

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