PDCA日記 / Diary Vol. 187「奴隷貿易がなければアフリカは発展していた？」/ "Was Africa developed if there was no slave trade?"

English follows Japanese.

【PDCA日記 Vol. 187「奴隷貿易がなければアフリカは発展していた？」】

「歴史に『もし』は禁句」と言われますが、「ダメ」と言われるとチャレンジしたくなるのが、人間というものです（「無理だ」と言われると、挑戦したくなる私 :-)。

今回紹介する資料「歴史は実験できるのか」は、実験ができないはずの歴史事象について、歴史家や経済学者などが、比較研究や自然実験という統計的手法を駆使して、新しい歴史研究の可能性に挑んでいる面白い文献です。

私が元々銀行員ということもあってか、本書の比較研究で植民地支配による経済発展の検証部分に興味をひかれました。

特に、カリブ海に浮かぶハイチとドミニカ共和国の経済発展に関する比較研究は、一読の価値があると感じました。

17世紀以降、ハイチはフランス、ドミニカはスペインに占領され始めました。

当時のハイチはドミニカを凌駕する強国だったと、今回紹介する資料「歴史は実験できるのか」は解説しています。

ただ、現在のハイチは最貧国に陥っており、自然災害や疫病などの影響もあって、政治経済ともに混乱が続いています。

一方、ドミニカ共和国は中南米の中では治安が落ち着いている国であると考えられており、1人当たり平均収入はハイチの6倍と大きな差が発生しました。

「歴史は実験できるのか」によると、ハイチの困窮とドミニカ共和国の安定の差は、フランスとスペインという旧宗主国による統治手法に原因があるとしています。

また、本書は「奴隷貿易がなければアフリカは発展していた」とも述べており、開発途上国の経済や歴史に興味がある方や、駐在などでこれらの国に赴任する方にとって、おすすめの一冊と言えます。

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう！   

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歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

P.S. 現在も混乱が続くハイチから、ドミニカ共和国に脱出する人が数多くいるらしく、元々移民国家であったドミニカは多様性が更に進んでいるとのことです。

アメリカが世界最強の国である理由の一つに、毎年1%ずつ人口が増加していることがあげられますが、この背景には合法、違法を含めて、数多くの移民が入っていることがあります。

移民への対応は、どの国でもチャレンジングな課題ではありますが、隣国と陸続きの国と、日本のように海洋国家では、状況が全く異なります。

この辺りのことも含めて、今回紹介する資料「歴史は実験できるのか」は、非常に興味深い一冊でした :-)。

＜ Mr. PDCAのボンジュール英語「凌駕する」 = 「surpass」＞

今回出てきた「凌駕する」の英訳は、「surpass」になります。

「彼の情熱は能力を凌駕した」と表現する場合、「His passion surpassed his ability」とすればよいですね :-)。

【PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 187 "Was Africa developed if there was no slave trade?"】

 

When we talk about history, we are not supposed to mention "if".

 

However, some people have been challenging to say "if" about history by using statistical methods such as comparative research and natural experiments.

The material to be introduced today “Natural Experiments of History” challenged the possibility of new history research by historians and economists about past events

Since I was originally a banker, I am interested in the verification of the economic development by colonial rule in this comparative study.

In particular, I felt that the comparative study on economic development between Haiti and the Dominican Republic in the Caribbean Sea is worth reading.

Since the 17th century, Haiti began to be occupied by France and Dominica started to be ruled by Spain, but at that time, Haiti was a powerful country that surpassed Dominica.

However, Haiti currently falls into one of the poorest countries in the world, and political and economic turmoil continues due to natural disasters and epidemics.

On the other hand, the Dominican Republic is considered to be a peaceful country in Latin America, and the average per capita income is now 6 times bigger than that of Haiti.

According to "Natural Experiments of History", the difference between Haiti's poverty and the stability of the Dominican Republic is attributed to the rule of the French and Spanish rulers.

This book also states that “Africa had developed if there was no slave trade” and I am truly impressed with this hypothesis.

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Natural Experiments of History