PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 254「ヴェブレン財の謎」/ "Mystery of Veblen Goods"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 254
ヴェブレン財の謎

 

本日はいきなりですが、ミクロ経済学の話になります(実は、経済学好きの私 :-)。

 

価格が上がることで売り上げが減り、価格が下がれば売れ行きが上がるものを「正常財」と言います(私たちが一般的に買っている商品のほとんどが正常財ですね)。

 

一方、価格が下がるにつれて売れ行きが減るものを、ミクロ経済学では「ギッフェン財」と言います(ギッフェン財について詳しく知りたい人は、PDCAカフェに行こう!)。

 

今回紹介する資料「ミクロ経済学入門の入門」は、「貧困地域での生活必需品がギッフェン財になることがある」と解説しています。

 

ダイヤモンドや高級ブランド品は、価格が上がるにつれて売れ行きも増える傾向にあり、このような財を、経済学では「ヴェブレン財」と言います。

 

ルイヴィトンやシャネルなどの高級ブランドは、毎年価格を上げていますが、売り上げも増えています。

 

高級ブランドのマーケティング担当者は、ヴェブレンの論理を認識した上でプライシング(価格設定)をしているわけですね。

 

私は東京・有楽町にある歯科医に通っているのですが、その近くに予約が取れないことで有名な寿司屋があります。

 

新型コロナウイルスの騒動が勃発する2020年2月くらいまで、この寿司屋には海外からのインバウンド客が毎日大挙して押し寄せていました。

 

その影響もあってか、外に出されているメニューを見ると毎年値段が上がっていました。

 

この寿司屋の握りは、ヴェブレン財だったと言えるのかもしれません(ただ、今は閑古鳥が鳴いています🐓☜これは鶏 :-)。

 

今後、この寿司屋は価格を引き下げる可能性がありますが、インバウンド客に過度に頼っていたため、需要が戻らない可能性があります。

 

こうなってしまうと、2020年2月まではヴェブレン財(価格☝需要☝)だったこの寿司屋の握りが、突然ギッフェン財(価格☟需要☟)に変わってしまう可能性があります。

 

ミクロ経済学を勉強すると、こういう価格の動きにも興味が湧いてくるため、家にいる時間が長いこのタイミングで、本書を手に取ってみるのはいかがでしょうか。

 

オイルショックが発生した1973年、日本ではトイレットペーパーの価格が高騰しましたが、売れ行きも伸びました。

 

当時の日本では、トイレットペーパーがヴェブレン財的な要素を持っていたと考えられるかもしれません。

 

現在の日本においても、新型コロナウイルスの影響を受けて、「トイレットペーパーがなくなるかもしれない」という心理からか、ドラッグストアなどで品薄の状態が続いています。

 

そんな中、個人間取引サイトで、トイレットペーパーが高値で取引されていたことがありました。

 

一時的とは言え、トイレットペーパーにヴェブレン財的な側面が現れる光景に遭遇するとは思いませんでした。

 

オイルショックが発生した約50年前もそうでしたが、人間は間違った情報に影響されるということなのでしょう。

 

今回紹介した資料「ミクロ経済学入門の入門」は身近な事象について、深く考えさせられる良書です。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)

ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)

  • 作者:坂井 豊貴
  • 発売日: 2017/04/21
  • メディア: 新書
 

 

P.S. 「個人にとって合理的な行動でも、社会全体にとってマイナスになる行動」のことを、経済学で「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。

 

今回のトイレットペーパー買い占めは合成の誤謬の典型例ですが、貯蓄過剰が30年近く続いている日本社会は、合成の誤謬というチャレンジと長らく戦っていることになります。

 

ただ、古今東西どの社会でも合成の誤謬は発生しており、これは人間の性(さが)なのかもしれませんね :-)。

  

 < Mr. PDCAのボンジュール英語「合成の誤謬」 = 「fallacy of composition」>

 

今回出てきた「合成の誤謬の英訳は、「fallacy of composition」になります。

 

「トイレットペーパー買い占めは、合成の誤謬の典型例である」を英語にする場合、「Toilet paper buyouts are a classic example of the fallacy of composition」とすればよいですね :-)。

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 254 "Mystery of Veblen Goods"
 

Veblen goods, such as diamonds and luxury brand goods, whose sales increase as the price increases.

 

On the other hand, normal goods are said to be sold more when the price goes down, and to be sold less when the price goes up.

 

The material introduced today "Introduction to Microeconomics (Japanese only)" explains Giffen goods very clearly.

 

In 1973, when the oil shock occurred, the price of toilet paper soared in Japan, and sales increased.

 

In Japan at that time, we might consider that toilet papers were Veblen goods.

 

Under the influence of the new coronavirus this year, we faced shortages of toilet papers under the psychology that "Toilet papers may run out".

 

About 50 years have passed since the oil shock, but humans are still affected by incorrect information.

 

This book is a useful material that allows us to think deeply about Giffen goods and Veblen goods.

 

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