PDCA日記 / PDCA Diary

継続は創造だ! / Continuity is Creation!

PDCA日記 / Diary Vol. 264「理想の経営者」/ "Ideal Manager"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 264「理想の経営者

 

先日のPDCAカフェで、ある方から「Mr. PDCA が理想とする経営者は誰ですか?」という質問を頂きました。

 

志村けん氏が演じている『バカ殿』が理想の経営者」と私が回答したところ、質問された方は目を白黒させていました。

 

コメディアンとして「伝説」になった志村けん氏ですが、バカ殿は中々の凄腕経営者(?)だと私は勝手に思っています。

 

やることがないバカ殿は天守閣でいつも足をばたつかせながら、「あ~、退屈だな~」とつぶやいています。

 

最高責任者(城主)であるバカ殿が退屈ということは、城のスタッフ達がきちんと自分の役割を認識した上で業務運営をしている証(あかし)です。

 

これは、スタッフが細かい指示をバカ殿に仰(あお)ぐことなく、適切に状況を判断しながら、仕事を進めていることを意味しています。

 

一方で、何か起こった際、城の部下達はすぐに「殿、大変です!」とやってきてバカ殿に報告しています。


「問題は隠すことなく速やかに上申」という組織運営上、最も重要なコンプライアンス意識が徹底されているのです。

 

バカ殿は聞き上手の管理職であり、暇ということもあってか部下の悩みに耳をよく傾けています。


バカ殿は、問題があってもすぐに上申しやすい雰囲気を作り上げようとしていた(?)のかもしれません。

 

今回紹介する資料「会社は頭から腐る」は、日本有数のターン・アラウンド・マネージャーである富山和彦氏による事業再生に関する渾身の一冊になっています。

 

本書のタイトルはかなり刺激的ですが、内容は極めて理論的かつ実務的で、特に「金融機関との付き合い方」部分は経営者を目指す方にとって、大変参考になる内容になっています。

 

「あなたの会社のよりよい未来のために」が本書のキャッチフレーズであり、「人間は宿命的に弱いものである」、「企業の強さの差は失敗した後のフィードバックの回数から生じる」という2点が印象的でした。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」

会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」

 

 

P.S. 私がバカ殿を理想の経営者だと思うのは、今回紹介した資料「会社は頭から腐る」のポイントである「人間は宿命的に弱いもの」、「失敗した後のフィードバック」という2点を理解し、実践しているように見える(?)からです。

 

1点目の「人間は宿命的に弱いもの」について、バカ殿は「ワシはよく分からんからの~。お前がやれば良いではないか~」というセリフと共に、ややこしい仕事はすぐに部下に任せてしまいます。

 

これは良く言えば「権限移譲(英語では「delegation」)」、悪く言えば「丸投げ(英語では「leave everything」)」です。

 

バカ殿は、自分が分かっていないことを分かっているのです(ソクラテスの「無知の知」ですね :-)。


つまり、自らの弱さを認識した上で、「自分は分かっていないため、分かっている部下に任せる方が合理的」と大局的(?)に判断しているように見えます。

 

会社は頭から腐る」の2つ目ポイントである「失敗した後のフィードバック」についても、バカ殿のコミュニケーション方法から学ぶことができます。

 

バカ殿を楽しませようとした部下が、結果的に面白くないことをした場合、バカ殿は「やろうとしたことは良かったのだがの~。ここをこうすれば、面白くなるのではないか~」というフィードバックをします。


これは、「チャレンジに対する賞賛 + 具体的な改善提示」という管理職(先輩芸人?)として、理想的な対応なのです(時々、無茶苦茶なことを言っていますが :-)。

 

バカ殿はバカではなく、実は「賢い殿(?)」の可能性があります。


よく観察すると、バカ殿は「大局的なことだけを指示して、後は部下を信じて任せる」という管理手法を採用しています。


バカ殿の組織運営手法は、以前PDCA日記で紹介した「戦争と平和」に出てくるロシア帝国の将軍クトゥーゾフに近いものがあるような気がしています :-)。

 

昨年、日経新聞私の履歴書」に小泉純一郎元首相が登場して以下のように言っており、バカ殿を指しているように感じました。

 

「良いトップとは、人に任せられる人である。」(小泉元首相コメント終わり)

 

 

戦争と平和(一) (新潮文庫)

戦争と平和(一) (新潮文庫)

 

 

P.S.2. 志村けん氏が先日、他界されました。

 

志村けん氏は、多くのコメディアンにとって理想の芸人だったと思いますが、私にとってバカ殿は理想の経営者であり続けます。

 

色々な意味でチャレンジングな局面ですが、「大丈夫だぁ~」の精神で乗り越えていきましょう!

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「権限移譲」 = 「delegation」>

 

今回出てきた「権限移譲」の英訳は、「delegation」になります。

 

外資系企業では「delegation」という単語が日常的に使われており、「今日は部長が休みで、課長にdelegation (権限移譲)されている」という感じで話されますね :-)。

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 264 "Ideal Manager"
 

In the PDCA Breakfast the other day, one colleague asked that "Who is the ideal manager for Mr. PDCA?" and I responded that "My ideal manager is Foolish Warlord".

 

Foolish Warlord is a character in a popular Japanese TV program played by a legendary Japanese comedian Mr. Ken Shimura.

 

The stage of this program is the Edo period (1603~1868) in Japan, and Foolish Warlord is the chief executive of one castle.

 

Foolish Warlord is always saying that "I have nothing to do and I am so bored".

 

Foolish Warlord is the chief executive and his bored means that employees of the castle recognize their roles properly and they are proceeding daily tasks without asking detailed instructions to Foolish Warlord.

 

Meanwhile, when something happens in the castle, employees are reporting these challenges to Foolish Warlord swiftly and the most important compliance awareness is being thoroughly implemented in the organization.

 

The material to be introduced today "The company goes rotten from the head (Japanese only)" was written by Mr. Kazuhiko Toyama, one of Japan's leading turnaround managers, who has worked on numerous business revitalization.

 

The catchphrase of this book is "For the better future of your company" and it emphasizes that all managers have to understand the following points.

 

1. Human beings are fatefully weak
2. The difference in corporate strength arises from the number of feedback after failure

 

Let's function PDCA today!   

 

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P.S. Foolish Warlord seems to understand the 1st point of this book "Human beings are fatefully weak" well, because he always tries to leave his work to his subordinates.

 

Leaving tasks to subordinates must be rational for Foolish Warlord, because he knows nothing about work.

 

Foolish Warlord also understand the 2nd point "Feedback after failure", because he is praising for challenges and proposing concrete remedy measures in case his subordinates fail.

 

Those who have the opportunity to watch Foolish Warlord next time, it might be interesting if you observe him as a manager of the organization :-).

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