PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 347「禁断の指揮権」/ "Forbidden Command"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 347「禁断の指揮権」】

 

2020年前半、マニアックなことで知られている検察庁法が話題になりました。

 

検察庁法を読んだことがある人は殆どいないと思いますが、芸能人を含めて多くの人達がSNSで法律について意見を述べたのは、日本において珍しいことだと感じています。

 

海外では、役者や歌手が法律改正について情報発信することが一般的になっています。

 

今回紹介する資料「検察官になるには」は「検察官への道」を分かりやすく解説しており、以下のフレーズが印象的でした。

 

「戦後の混乱期に朝鮮戦争が起き、日本中が朝鮮特需に沸いていた1954年4月のことだ。

 

国による計画造船の融資を巡って起きた『造船疑獄』贈収賄事件で、政官財界の71人が逮捕された。

 

操作が当時の自由党幹事長、佐藤栄作衆議院議員に及び、最高検が逮捕を決めたところで、吉田茂首相の意向を受けた犬養健法務大臣が重要法案の審議を理由に逮捕を延期するよう、佐藤藤佐検事総長に指示、指揮権を発動した。

 

佐藤総長は佐藤幹事長の逮捕を見送らざるを得ず、捜査は頓挫し、事件は終息に向かった。

 

犬養大臣は翌日辞任した。

 

この結果、佐藤幹事長は逮捕されず、造船業界からの寄付により政治資金改正法違反に問われたが、国連加盟恩赦による大赦免訴となり、その後、総理大臣にまで上り詰めた。

 

だが、指揮権発動は検察史の汚点とされ、吉田内閣も約7ヵ月後、総辞職に追い込まれた。」(引用終わり)

 

日本で指揮権が発動されたのは「造船疑獄」の時1回のみで、その後は指揮権発動自体がタブー扱いされるようになりました。

 

日本の場合、官僚に対する国民の信頼が厚いようです。

 

その証拠に検察庁法改正の動きがあった際、「内閣が検察組織の人事に口出しすべきではない」という意見があちこちで聞かれました。

 

ただ、2010年に障害者郵便制度悪用事件や大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件が立て続けに発生したように、検察組織が全知全能と考えるのは危険であると私は考えています(全知全能は神だけです :-)。

 

検察官は行政官であり、行政権を持つ内閣に人事権があることは当たり前のことです。

 

しかしながら、この点はあまり議論されなかったように感じています。

 

私は一時期、当局対応の仕事をしていたことから、中央官庁の官僚とやり取りをしていました。

 

日本の官僚一人ひとりは非常に高い倫理観と職業意識を持っていると思いましたが、彼らを万能の存在と祭り上げることはリスクであると感じています。

 

また、当局による検査や捜査情報がメディアに漏れていることは重大な問題で、この部分は指摘されることが殆どありません。

 

元東京高検検事長による掛けマージャン事件が発生した際、当局とメディアの癒着について殆ど報道されませんでしたが、これは不思議でしたね(結局、元東京高検検事長は不起訴になりました)。

 

まあ、この辺りは色々な意見があると思いますので、異論がある方はPDCAカフェで語り合いましょう☕。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. アメリカにおいて刑事事件で起訴された場合、裁判官からの判決を受けるか、陪審員裁判員)に裁いてもらうかを選択することになります。

 

ただ、アメリカの全ての刑事事件について、陪審員が関与するわけではありません。

 

罰金刑などの重大ではない犯罪の場合、陪審員裁判を選択することはできず、裁判官による判決になります。

 

これはある意味当たり前で、軽微な犯罪の判決まで陪審員が出ていては、多くのアメリカ国民が裁判に常時駆り出されることになってしまいます。

 

日本でも裁判員裁判が行われていますが、殺人罪や放火罪などの重大な犯罪が対象になっています。

 

日本で起訴された場合、被疑者に裁判官か裁判員の選択権はなく、この点がアメリカの司法制度との大きな違いになります。

 

アメリカで生活すると、レストランでの注文を含めて選択肢が多いことに気づきますが、刑事事件で誰が裁くかについても、オプションがあるのは印象的ですね :-)。

 

<Mr. PDCAのボンジュール英語「禁断の」=「forbidden」>

 

今回出てきた「禁断の」の英訳は、「forbiddenになります。

 

「禁断の指揮権」を英語にする場合、「Forbidden command」とすればよいですね :-)。

 

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PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 347 "Forbidden Command"

 

The material introduced today "How to be a Prosecutor (Japanese only)" explains the details in an easy-to-understand manner.

 

In case of Japan, there seems to be a lot of trust in bureaucrats, and when there was a move to amend the law of the prosecutor's office, there were many opinions that the Cabinet should not speak to the personnel matters of the prosecution organization.

 

Since I was working with the authorities, I was communicating with bureaucrats in the central government.

 

I thought that each of the bureaucrats was very conscious, but I feel it is risky to leave everything to bureaucrats.

 

Also, the leakage of inspection and investigation information by the authorities to the media is a serious problem in Japan, I suppose.

 

Let's function PDCA today!   

 

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