PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 376「勲章の意味」/ "Meaning of the Order"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 376「勲章の意味」】

 

時々メディアで目にする「勲章」というのは、世界中にあります。

 

私は全く勲章に縁がありませんが、今までこれを欲しがる人が多い理由が不明でした。

 

しかしながら、今回紹介する資料「総理の言葉」を読んで、勲章の存在意義が確認できたような気がします。

 

「功労者は、勲章をやればいいのです。実務につけると、百害を生じます。」(引用終わり)

 

これは、第16代総理大臣である山本権兵衛(ごんのひょうえ)の言葉です。

 

過去に結果を残した功労者の場合、いつまで経っても同じ地位にしがみつく人が一定数出てきます。

 

ビジネスでもそうですが、同じ人が何十年もトップに居続けると弊害が出てくるもので、これを山本は「百害」と形容したわけですね。

 

功労者を実務から外すために、「あなたは素晴らしい結果を残したので、勲章をあげます。その代わり、実務からは退いてね」ということを伝えるため、山本は「勲章をやればいい」と表現しました。

 

明治維新の功労者たちは、薩長土肥出身者が多かったことで知られています。

 

縁故社会(分かりやすい言葉でいえば「コネ・ワールド」)である日本において、藩閥政治が続くリスクを懸念した伊藤博文は、官僚を試験で選ぶ現在の「キャリア制度」を創設します。

 

キャリア制度によって、全国から「勉強ができる人」が高級官僚を目指すことになり、昔の功績で要職にいた薩長土肥出身者たちは地位を追われることになります。

 

私は以前、銀行で当局対応をしておりキャリア官僚とも対峙してきました。

 

キャリア制度に興味のある方は、「近代日本の官僚 維新官僚から学歴エリートへ」をお読み頂ければと思いますが、面白いことに国家公務員法にはキャリア制度に関する記載がありません。

 

 

「功労者は、勲章をやればいいのです。実務につけると、百害を生じます」と述べた山本権兵衛の話に戻ります。

 

山本は、海軍内の重要ポストに居座り続ける薩摩藩出身者に実務から外れてもらい、彼らの顔を立てるために勲章を使ったのです。

 

薩摩藩出身者の代わりに、海軍兵学校卒業者が海軍内の要職に就き、今で言うところの「実力主義組織」に山本は転換させようとしたわけですね。

 

これは来たる日露戦争(1904~1905)を想定し、近代的な海軍をつくるための措置でした。

 

日露戦争における日本海海戦で、バルチック艦隊を破った東郷平八郎連合艦隊の指令長官に選んだのも、山本でした。

 

ただ、山本などの元老がいなくなってしまうと、日露戦争の成功体験を海軍は引きずり続けることになります。

 

日本海海戦で大きな勝利を収めた日本海軍は、第一次世界大戦後も大鑑巨砲主義にとらわれ、太平洋戦争で壊滅的な敗北を喫することになります。

 

太平洋戦争勃発時の連合艦隊司令長官だった山本五十六は、「海軍の主力を戦艦から航空機に変更すべきである」と主張していました(いわゆる「航空主兵論」)。

 

日本海軍はゼロ戦という優れた戦闘機を持ちながら、大鑑巨砲主義によって太平洋戦争で敗走を続けることになりました。

 

現場がどれだけ優秀であっても、リーダーが間違った判断をしてしまうと破綻してしまう企業のようにも見えますね。

 

今回紹介する資料「総理の言葉」は、歴代総理大臣の様々な名言が記載されています。

 

話のタネにもなる良書であるため、営業の仕事をしている人に本書はお勧めの一冊です :-)。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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総理の言葉

総理の言葉

  • 作者:遠越 段
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

P.S. 私が日本の伝統的な組織で感心したことして、「部付部長」があります。

 

部付部長とは、部長のようでありながら部長ではない謎の役職であり、勲章のようなものかもしれません。

 

ちなみに、外資系企業では部付部長というものを聞いたことがありません。

 

意外に感じるかもしれませんが、外資系金融機関は役職社会だったりします。

 

それが故に、最高位であるマネージング・ディレクター(MD)になるために熾烈な競争が繰り広げられます。

 

早い人であれば30代でMDになりますが、MDとして数年働いて引退するというパターンが多かったような気がします。

 

外資系金融機関では、「働くだけが人生ではない」と悟りを開く人が多いのかもしれませんね :-)。

  

< Mr. PDCAのボンジュール英語「勲章」 = 「Order

 

今回出てきた「勲章」の英訳は、「Order」になります。

 

「勲章の意味」を英語で表現する場合、「Meaning of the Order」とすればよいですね :-)。          

 

総理の言葉

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PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 376 "Meaning of the Order"

 

There are Orders all over the world.

 

Until now, the meaning of Orders was unknown for me, but by reading the book introduced today "Words of Prime Minsters (Japanese only)", the significance of the existence of Orders was confirmed.

 

Gonnohyōe Yamamoto, the 16th Prime Minister of Japan, reiterated the meaning of Orders.

 

Yamamoto removed a person who was in an important post in the Navy due to the Meiji Restoration, and instead replaced the post to the Naval Academy graduates.

 

It was to create a modern navy in anticipation of the coming Russo-Japanese War.

 

It is also Yamamoto that elected Heihachiro Togo, who defeated the Baltic fleet in the Russo-Japanese War, as Commander-General of the Combined Fleet.

 

The same mechanism can be seen in modern Japanese companies.

 

This book contains various quotes of successive Prime Ministers.

 

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