PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 450「文化財略奪は欧州の仕業?」/ "Is the plunder of cultural properties done by Europeans?"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 450文化財略奪は欧州の仕業?」】
 
私はフランスに留学していた頃、地理的な近さもあってか、中東やアフリカからの留学生と一緒に勉強することがありました。
 
政情が不安定な国が多い中東やアフリカでは、富裕層が自分の子供たちを海外に留学させて、そのまま現地で働かせようとするインセンティブがあるようでした。
 
中東は、経済成長と共に人口増加が続いている珍しい地域として知られています。
 
欧米であっても日本であっても、経済が一定規模以上に成長すると、女性の大学進学率が上昇します。
 
人々が豊かになれば、「自分の子供に高等教育を受けさせたい」という当たり前の親心が芽生えるわけですね。
 
女性の大学進学率が上昇することによって、社会は晩婚化することになり、結果的には、合計特殊出生率(女性が一生の内に出産する子供の数)が低下する傾向にあります。
 
中東やアフリカからフランスにやってきている留学生と話をしていると、「中東の王族の息子」であるとか、「アフリカのある国の財務大臣の娘」など、普段は遭遇することのない人達だったりしたものです。
 
また、最近の中東やアフリカの富裕層たちは、金融商品ポートフォリオ理論と同じように、自分の子供たちを世界中に分散した形で留学させる傾向にあるようです。
 
長男はアメリカ、長女は日本、次女はフランス、次男はイギリスという形で分散した形で子供たちを留学させ、そのまま現地で就職させたいという意図もあるようです。
 
そうすることで、自分の国で政権転覆などが発生しても、子供が住む場所に避難することが可能になります。
 
私は留学生仲間からこの話を聞いて、「なるほどなぁ」と妙に納得したことを覚えています。
 

今回紹介する資料「盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒」は、「エジプト人は財宝を盗み、ヨーロッパ人はミイラを盗み、そしてナポレオンは文明を盗もうとした!」をキャッチフレーズにしており、以下フレーズが印象的でした。

 

「盗掘者はエジプト人だけではない。

 

中世以降、『秘薬』とされたミイラを求め、文化財略奪に手を染めたのは主に欧州の人々だった。

 

やがてエジプトをまるごと奪おうとしたナポレオンが登場する。

 

19世紀以降は古代への情熱にかられた学者、好奇心いっぱいの旅行者が大挙してエジプトに押し寄せた。

 

こうした中に、映画『インディ・ジョーンズ』シリーズのモデルになったとされる稀代の冒険家ベルツォーニも登場する。

 

 

よくもまあ、人はこれほど盗みをはたらくものだ。

 

エジプト史を概観するとつくづくそう思う。

 

『エジプト最古の職業は墓泥棒』といったジョークさえある。

 

もちろん古代でも盗みは犯罪であり、特に墓泥棒には死罪も適用された。

 

それでも人は盗む。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 今回紹介する資料「盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒」が述べている通り、中世以降の欧州人は秘薬と考えられていたミイラを求めましたが、科学的に薬の効果は当然ながらありません。

 

本書では、イギリスの文豪シェークスピア(1564~1616年)が残した4大悲劇の一つである「マクベス」の中で、「魔女のミイラ」が登場することも説明しています。

 

 

シェークスピアが活躍した16世紀のエジプトでは、死体を古代ミイラに偽装して売る詐欺師が横行しました。

 

この辺りのことは、イギリスの考古学者であるフェイガン・ブライアンの著書「ナイルの略奪」に詳細が記されていますので、興味がある方はご一読ください。

 

  

エジプトのミイラが薬と思われていたように、科学が発達していなかった時代には、宗教行事が医療行為と認識されていたことがありました。

 

人間は理解できないことが目の前で起こると、超自然的なものに頼りたくなるものなのかもしれません。

 

今回の新型コロナウイルス騒動でも、色々なデマが世界中を駆け巡りました。

 

過去のPDCA日記で紹介した「デカメロン」は、ペストが大流行した1300年代中頃のイタリアの様子を鮮明に描いています。

  

デカメロン 上中下合本版

デカメロン 上中下合本版

 

 

1900年代前半に活躍したフランスの小説家であり哲学者だったアルベール・カミュは、名著「ペスト」の中で、ペストに襲われたヨーロッパの人々の姿を鮮明に描写しています。

 

カミュが生きた時代(1913~1960年)にスペイン風邪が大流行しましたが、彼自身はペストの蔓延に遭遇したわけではありません。

 

それでも、カミュが描いた「ペスト」の内容は、現在の新型コロナウイルスにあえぐ人類の姿をそのまま反映しているようにも見えます。

 

ペスト」の中では、感染症の大流行によって、社会的弱者が一層困窮する状況が描写されています。

 

その一方、大金持ちは問題なく日常生活を送るという、今の世界が抱える矛盾についても「ペスト」の中で描かれています。

 

ペスト」は漫画化されていますので、読書の秋に是非一度読んでみてください(本当に良い時代ですね :-)。

 

 

本の雑誌などを読んでいても、占いを信じ込んでいたり、血液型で性格を4つに分類しようとするなど、現在でも宗教に近いことを人間は行っていますね。

 

その観点からすると、太古から人間の行動は変わらないのかもしれませんね😊。

 

ちなみに、血液型で性格を分類しようとするのは日本だけであり、海外の場合、自分の血液型を知らない人も結構いたりします。

 

そのため、日本と同じ感覚で「血液型は何ですか?」と外国人に聞くと、「なぜそんなことを聞くのだ?」という感じで怪訝な顔をされる可能性があります。

 

私自身、血液型で性格を分類しようとすることは非科学的で、ナンセンス以外の何物でもないと考えています。

 

日本で血液型による性格分析が広まったのは、1970年代に発刊された「血液型人間学」という本がきっかけであるようです。

 

 

血液型による性格分析は差別につながる可能性もあるため、私はやめた方がよいと思っています。

 

また、国や地域によっては特定の血液型の人が大部分を占めているケースもあります。

 

例えば、南米のグアテマラの場合、9割以上の血液型がO型だったりします。

 

この事実に鑑みても、血液型による性格分析が無意味であることが分かりますね :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「略奪」=「plunder」>

  

今回出てきた「略奪」の英訳は、「plunder」になります。

 

文化財略奪は欧州の仕業?」を英語にする場合、「Is the plunder of cultural properties done by Europeans?」とすればよいですね :-)。

 

  

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 450 "Is the plunder of cultural properties done by Europeans?"】

 

The material introduced today "Stolen Egyptian Civilization (Japanese only)" has a catchphrase "Egyptian steals treasure, Europeans steal mummies, and Napoleon tried to steal civilization!" and the following phrases were impressive.

 

"Egyptian is not the only grave robbers.

 

Since the Middle Ages, it has been mainly Europeans who have sought to plunder cultural properties.

 

Eventually, Napoleon appears who tried to rob Egypt entirely.

 

Since the 19th century, scholars and curious travelers with a passion for ancient times have flooded Egypt." (Unquote)

 

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