PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 456「雨の日にタクシーが捕まらない理由」/ "Why we cannot take a taxi on rainy days"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 456「雨の日にタクシーが捕まらない理由」】

 

過去のPDCA日記でも紹介しましたが、私は2016年に自営を始めて以降、都心で電車に乗ったことがありません。

 

 

日本の場合、年間平均労働時間が2,000時間であり、ここから自分の時給をある程度換算できます。

 

仮にYさんという人の年収が600万円の場合、時給はおよそ3,000円(600万円÷2,000時間)になりますね。

 

Yさんが、A地点からB地点まで移動する際、待ち時間を含めて電車であれば30分かかり、400円料金がかかるとしましょう。

 

一方、タクシーを使うことによって、10分でA地点からB地点まで移動できますが、1,500円料金が発生する場合を考えてみます。

 

この場合、電車とタクシーのどちらを使うことが、ビジネスの観点から合理的でしょうか?

 

Yさんの時給に基づき、電車とタクシーでの移動に伴うコストは、以下の計算式から求めることが可能です。

 

・電車移動30分に伴うコスト:(Yさんの時給3,000円 × 1/2時間 = 1,500円)+(電車代400円)= 1,900円

・タクシー移動10分に伴うコスト:(Yさんの時給3,000円 × 1/6時間 = 500円)+(タクシー代1,500円)= 2,000円

ーーー

 

上記を見て、「電車は1,900円だけれど、タクシーは2,000円だから、電車を使うべき」と思った、そこのあなた!

 

そうではないのですよ。

 

Yさんが使った金額だけを見れば、電車の方がタクシーよりも100円少ないです。


しかしながら、電車では30分かかるところを、タクシーであれば10分ですんでいます。

 

つまり、Yさんはタクシー利用によって、20分(30分 - 10分)の時間を得したことになります。

 

そのため、20分の効用である1,000円(Yさんの時給3,000円 × 1/3)をタクシー利用に伴うコストから差し引く必要があるのです。

 

浮いた分の時間を換算すると、結果的に、Yさんはタクシー利用によって1,000円(2,000円 - 1,000円)でA地点からB地点まで移動したことになります。

 

従って、30分で1,900円のコストが必要な電車よりも、実質1,000円のコストですむタクシーを利用すべきということになりますね :-)。

 

企業経営者の多くが電車を使わない背景には、このような理屈があったわけです。

 

今回紹介する資料「経済は感情で動く」は、「はじめての行動経済学」をキャッチフレーズにしており、「雨の日のタクシーはどうして早々と引き上げるのか」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

「最近ある研究グループが、ニューヨークのタクシー運転手の行動を調査し、彼らがしていることが経済理論に見合っているかを考えた。

 

運転手たちは毎日の目標額を決め、その日の売上げがその額に達すると仕事をやめていた。

 

つまり、客が多い日はさっさと引きあげるというわけだ(たとえば雨の日がそうで、こんな日には、人びとはタクシーを奪いあう)。

 

客が多い日には短時間で目標額に達してしまうから、いつもより早く仕事が終わる。

 

しかし経済的観点からすれば、運転手は売上げが多い日によく働き、少ない日にはさっさと引きあげて自由時間を楽しむべきなのだ。

 

ところが実際には、労働時間とその日の儲けとのあいだには、マイナスの相関関係があることがわかった。

 

運転手たちは、短時間で余計に儲かる日に、働く時間を短くしているのだ。

 

この現象はどう説明したらいいだろうか。

 

考えてみるまでもなく、答えはすぐに見つかる。

 

タクシーの運転手は、私たちの多くと同じように、損得を同じ枠にかけてはいないのだ。

 

多くの人にとって、損したために失ったものは、得したために得たものより大きい(二倍を超える)のである(これを『損失回避』という)。」(引用終わり)

 

なお、日本のタクシー会社の場合、勤務時間が決められているケースがほとんどです。


そのため、日本では、今回紹介する資料「経済は感情で動く」のような動きをしないタクシードライバーが多いかもしれません。

 

日本でも、雨の日はタクシーが捕まりにくくなります。


この背景には、外出時に雨に濡れたくないため、電車よりもタクシーを利用する人が増えるからであると私は考えています。

 

ビジネスパーソンにとって一番合理的なのは、移動しなくてもよい仕事をすることですね。

 

人生で一番無駄なことは通勤時間であり、PCとスマホで完結する仕事を持つことが、これからの時代に求められるのかもしれません。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 今回紹介する資料「経済は感情で動く」は、「得している株は売り、損している株は手放さない」という投資家の心理(真理?)を紹介しています。

 

金融業界で長らく従事した私からすると、この点は「確かにそうだ」とうなづかされます。

 

金融の世界では、「塩漬け」という表現があります。


これは、損失を抱えた株式などを長く保有し続けることを指します。

 

利益が出ている金融商品を持っていることを「塩漬け」とは言わないため、今回紹介する資料「経済は感情で動く」が述べている「得している株は売り、損している株は手放さない」傾向にあることは、どこの世界でも同じなのかもしれませんね :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「タクシーを捕まえる」=「take a taxi」>

  

今回出てきた「タクシーを捕まえる」の英訳は、「take a taxi」になります。

 

「雨の日にタクシーが捕まらない理由」を英語にする場合、「Why we cannot take a taxi on rainy days」とすればよいですね :-)。  

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 456 "Why we cannot take a taxi on rainy days"】

 

The material introduced today "Emotional Economy" has a catchphrase "In What Do We Waste Money in and Why", and the following phrases were impressive in the part "Why we cannot take a taxi on rainy days".

 

"A recent research group investigated the behavior of taxi drivers in New York and wondered if what they were doing was in line with economic theory.

 

The drivers set daily targets and stopped their jobs when the day's sales reached that amount.

 

In other words, on days when there are a lot of customers, they pull up quickly (for example, on rainy days, people try to take taxis on such days).

 

On days when there are many customers, the target amount will be reached in a short time, so work ends earlier than usual.

 

But from an economic point of view, drivers should work hard on high-sales days and quickly pull up to enjoy their free time on low-sales days.

 

In reality, however, it turns out that there is a negative correlation between working hours and the profits of the day.

 

Drivers are shortening their working hours on days when they make more money in a short amount of time.

 

How can we explain this phenomenon?

 

You don't have to think about it, the answer is quick to find.

 

Taxi drivers, like many of us, don't put the profits and losses in the same frame.

 

For many, what they lose because they lose is greater (more than double) what they gain because they gain (this is called "loss avoidance")." (Unquote)

 

Let's function PDCA today!   

 

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