【PDCA日記 Vol. 477「加害者を退学させられない」】
先日、PDCA日記 Vol. 475「定住化がいじめを生み出した」を投稿したところ、「宇宙飛行士はいじめ対処のトレーニングを受ける」というコメントを頂きました。
宇宙飛行士の場合、ほとんど動けない空間で特定の人達と一定期間、究極の「定住化（？）」をすることになります。
野生動物の場合、「不快な場所から逃げる」という原則が取られているため、いじめは発生しません。
人間社会の中で、いじめが発生したのは定住化が起こってからです。
つまり、「不快な場所から逃げる」という選択肢を持っておくことで、いじめやハラスメントから逃れることが可能になります。
インターネットの発達によって、現在は「逃げるという選択肢を持つ」ことができるようになりました。
「自分は逃げられない」と思い込んでいる人がいますが、周りに相談できない状況に陥っている可能性が高いため、とにかく誰かに話をすることが肝要でしょう。
今回紹介する資料「学校弁護士」は、「スクールロイヤーが見た教育現場」を解説しており、「加害者を退学させられない」部分の以下フレーズが印象的でした。
「日本でいじめが適切に解決できないのには、法制度自体の問題も大きい。
まず早急に改めるべき法制度は、公立小中学校で例外なく停学や退学が認められていない点だ。
いじめなどの例外的な事情がある場合には、学校が加害者を停学や退学にすることができるようにする必要があると私は考えている。
こう言うと、決まって『子どもの教育を受ける権利をないがしろにされる』と主張する意見にあうが、ではいじめの被害者が学校に来られないことについてはどう考えているのだろうか。
海外では小中学校で、例外なく停学や退学が認められている。
認められていない教育制度は、少なくとも主要国では日本以外には見当たらなかった。
その点から見ても日本の教育制度は特異である。
いじめの被害者が転校するケースは、加害者が転校するよりもはるかに多い。
なぜ被害者が転校しなければならないのかといえば、その理由は、このケースのように学校が加害者を退学させて転校させることができない日本の教育制度にある。
退学どころか、加害者を一時的に停学させることもできないのだ。
ちなみに停学については公立小中学校だけでなく、私立小中学校であっても例外なくできない。」（引用終わり）
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう！
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P.S. 日本の場合、憲法26条で、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と規定されています。
そのため、義務教育である小中学校では、教師が問題児を教室外に追い出すことができない仕組みになっています。
また、日本の小中学校には留年がないため、九九ができない生徒であっても自動的に進級できてしまいます。
海外の小中学校には留年があるところがあり、出席回数が足りなかったり、成績が悪すぎる場合は進級できない生徒が結構いたりします。
善し悪しは別として、今回紹介した資料「学校弁護士」が述べている「加害者を退学させられない」仕組みについては、色々な意見がありそうですね。
＜ Mr. PDCAのボンジュール英語「加害者」=「perpetrator」＞
今回出てきた「加害者」の英訳は、「perpetrator」になります。
「加害者を退学させられない」を英語にする場合、「Perpetrators cannot be expelled」とすればよいですね :-)。
The material introduced today "School Attorney (Japanese only)" explains "The educational scene seen by School Lawyer", and the following phrases were impressive in the part Perpetrators cannot be expelled".
"There is also a big problem with the legal system itself that bullying cannot be properly resolved in Japan.
The first legal system that should be revised immediately is that public elementary and junior high schools are not allowed to suspend or expel students without exception.
I think schools need to be able to suspend or expel perpetrators in exceptional circumstances such as bullying.
When I say this, some people oppose by saying that children's rights to education would be neglected.
Then, what do they think about the fact that bullying victims cannot come to school?
Overseas, elementary and junior high schools are allowed to suspend or expel students without exception.
No unrecognized education system was found outside of Japan, at least in major countries.
From that point of view, the Japanese education system is unique.
Bullying victims are far more likely to transfer than perpetrators in Japan.
The reason why victims have to transfer is because of the Japanese education system, where schools cannot suspend or transfer perpetrators as in this case.
Far from expelling, the perpetrator cannot be temporarily suspended in the Japanese educational system.
By the way, suspension is not possible not only in public elementary and junior high schools but also in private elementary and junior high schools." (Unquote)
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