共産主義が資本主義の後塵を拝するきっかけになったのは、1970年代のオイルショックだったと考えられています。
当時のソ連や東ドイツは国内で自動車を製造していましたが、オイルショックに伴う石油価格の高騰に対して、省エネエンジンの開発などを行わず、非効率な仕組みを温存することになりました。
一方、日本、西ドイツなどの資本主義国は、少ないガソリンで長距離を走る車の開発に血眼になりました。
その後、省エネカーが世界中を席捲することになり、共産主義諸国の非効率な商品は全く売れなくなりました。
ソ連や東ドイツでは、官僚が計画経済に基づいて製造業を支配していましたが、日本やドイツではトヨタやフォルクスワーゲンなどの民間企業が、顧客ニーズに基づいて商品開発を行っていました。
共産主義国ではオイルショック後も石油に依存する経済が続きましたが、資本主義諸国は「脱石油」を掲げて、社会全体でできるだけ石油を使わない体制の構築に邁進することになります。
結局はこの点が、共産主義と資本主義の差になったのでしょう。
今回紹介する資料「国富論II」は「経済学の古典」と呼ばれており、「高率の関税や輸入禁止は、外国から安く買えるものを高い費用をかけて国内で生産させ、産業活動全体を不利にする」部分の以下フレーズが印象的でした。
「どんな種類の技術ないし製造業についても、国産品に国内市場の独占を許すことは、どういうふうに資本を用いるべきかを、ある程度まで私人に指図することであって、ほとんどあらゆる場合に無用な、あるいは有害な規制である。
国産品が外国品と同様に安く国内市場に提供されるならば、規制は明らかに無用である。
もし、そうできない場合にも、規制は一般に有害にちがいない。
買うよりも自分で作るほうが高くつくものは、けっして自分で作ろうなどとはしないというのが、分別ある家長のやり方である。
仕立屋は、自分の靴を自分で作ろうとはしないで靴屋から買う。
靴屋は、自分の服を自分で仕立てようとはしないで仕立屋に作らせる。
農民は靴も服も自分で作ろうとはしないで、それぞれの職人に作らせる。
かれらはみな、自分の労働のすべてを隣人よりも多少ともまさっている方面に用い、その生産物の一部をもって、またはそれと同じことだが、その価格をもって、自分たちが必要とする他の品物を買うほうが有利であることを知っている。」(引用終わり)
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
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P.S. 先進国の中で、「共産党」という名前の政党が国会に議席を保持しているのは、日本だけであると言われています。
ドイツには「ドイツ共産党」が存在していますが、上院、下院に議席は持っていません。
ドイツでは、1956年に憲法裁判所が「共産党は違憲」という判断を下し、ドイツ共産党は一旦解散しました。
その後、1968年に再びドイツ共産党が結成されましたが、現在も極左勢力として、連邦憲法擁護庁の監視下に置かれています。
ただ、アメリカは貧富の格差が激しく、実は「共産主義が拡大する素地が最もある社会」なのかもしれません。
この辺りのことを意識しながら海外旅行をすると、新しい発見があるかもしれませんね😊。
< Mr. PDCAのボンジュール英語「共産主義」=「communism」>
今回出てきた「共産主義」の英訳は、「communism」になります。
「オイルショックと共産主義」を英語にする場合、「Oil crisis and communism」とすればよいですね😊。
The material introduced today "The Wealth of Nations" is called "The classic of Economics", and the following phrases were impressive in the part "High tariffs and import bans make things that can be bought cheaply from foreign countries produced domestically at high cost, and industrial activities".
"For any kind of technology or manufacturing industry, allowing domestic products to monopolize the domestic market is to some extent instructing private individuals how to spend capital, which is useless in almost all cases.
Regulations are clearly useless if domestic products are offered to the domestic market as cheaply as foreign products.
If this is not possible, regulation must generally be harmful.
It is a sensible patriarch's way to never try to make something that is more expensive to make by yourself than to buy it.
Tailors buy from shoe stores rather than trying to make their own shoes.
Shoemakers let tailors make their clothes instead of trying to tailor them themselves.
Farmers do not try to make shoes or clothes themselves, but let each craftsman make them.
They use all of their labor in a direction that is somewhat better than their neighbors, with some of their products, or the same, but at that price, the other they need. I know it is better to buy an item." (Unquote)
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