【PDCA日記 Vol. 636「学力と経済力の相関」】
私がフランスで学生に戻っていた時に面白いと感じたのは、ビジネスだけでなく、哲学、数学、法律という感じで、2つの学位(ダブル・ディグリー)を目指している人が結構いたことです。
ダブル・ディグリーの学生がいることによって、ビジネススクールの授業でも「法律のダブル・ディグリー生はいないかな?」と教授が質問した際、法律を勉強している人が解説するという場面がありました。
日本から来ている留学生が少なかったこともあって、私に対しては、「日産とルノーの連携」についての質問が一番多かったですね😊。
哲学のダブル・ディグリー生が、ビジネススクールの授業中で面白い発言をしていたことを今でもよく覚えています。
哲学のことをよく勉強していた彼は、イングランドの哲学者トマス・ホッブズの名著「リヴァイアサン」の記載と2008年の金融危機を絡めて意見を述べていました。
「リヴァイアサン」は1651年に出版された政治哲学書であり、秩序がない無法地帯を「自然状態」と呼んでいます。
国家が成立して自然状態を脱するためには、「最低限のルールが必要」とホッブズは考察しています。
ビジネススクールの「経営倫理」という授業の中で、「2008年の金融危機はなぜ起こったのか?」という議論になり、金融機関出身である私にもコメントが求められて、以下のように回答しました。
「私がニューヨークで働いていた2000年代前半、バンカー達は目標を達成すれば高額な報酬を得られた。一方、目標を達成できなければ、仕事を失うだけだった。
『法的にグレーで顧客のためになるか不明』という取引にバンカーは直面したが、高額報酬という無限のリターンと失職という限定されたリスクを比較した際、結果的に目標達成が優先された。」(Mr. PDCAコメント終わり😊)
上記の私の発言に対して哲学のダブル・ディグリー生が、以下のようにコメントしました。
「Mr. PDCA(私のことね😊) が働いていた職場(外資系金融機関)は、リヴァイアサンに出てくる自然状態そのものである。
自然状態を脱して、法が強制力を発揮する社会を『国家』とホッブズは定義した。
Mr. PDCA(私のことよ😊) の職場は先進国であるアメリカにあったが、当局による規制が機能しなかった。
ウォール街の強欲な人達(私のことかな?)にとって、法の制約だけでは不十分であることを、2008年の金融危機は証明したことになる。
重要なのは、『その取引を本当に実行して良いかどうか?』と迷った際、『実行すべきではない』と自らを律する倫理観である。」 (哲学のダブル・ディグリー生コメント終わり)
彼の発言を聞きながら、私は色々な分野について勉強することの重要性を改めて感じたのでした😊。
今回紹介する資料「子供の貧困が日本を滅ぼす」で印象深いのは、「学歴の高さは今後も高い収入につながっていくのか?」部分です。
本書では「大学進学率と大卒・高卒賃金格差の推移(男性)」が示されていますが、「進学率を高めることは、将来の収入増へとつながっている」と結論付けています。
今回紹介する資料「子供の貧困が日本を滅ぼす」は、統計数値だけではなく貧困の現場についても、詳細に報告しています。
本書は教育関係者の方に、ぜひ読んでもらいたい一冊ですね。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
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P.S. 過去のPDCA日記でも紹介しましたが、私は大学生の時に予備校講師のアルバイトをしていました。
私は英語を担当していたのですが、学力が伸びる生徒の特長として、「親が一緒に勉強してくれる」ことがあったと記憶しています。
子供に対する親の行動として一番逆効果であるのは、「勉強しなさい」ということです。
親と子供が一緒に勉強することで、双方にとって成長の機会があるだけではなく、コミュニケーションを深めることにつながります。
私のクラスで一番成績が良かったのは、「自宅に家族全員が使える勉強部屋がある生徒」でした。
自宅に勉強部屋があるというだけである程度は裕福なのだと思いますし、両親が教育熱心であることの証左とも言えます。
家庭だけではなく会社組織にも言えることでしょうが、「全員で勉強しようとする姿勢」を持つことは重要であると思いますね😊。
<Mr. PDCAのボンジュール英語「相関」=「correlation」>
今回出てきた「相関」の英訳は、「correlation」になります。
「学力と経済力の相関」を英語にする場合、「Correlation between literacy ability & economic power」とすればよいですね😊。
【PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 636 "Correlation between literacy ability & economic power"】
One of the things that impressed me in the material introduced today "Poverty of children destroys Japan (Japanese only)" was the part "Does high education continue to lead to higher income?"
In this book, "Transition between college entrance rate and wage disparity between university and high school graduates (male)" is shown, but it is concluded that "Increasing the attendance rate to university leads to increase income in the future."
This is a recommended book for people those who are working in the education fields.
Let's function PDCA today!
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