世界中のビジネススクールで展開されているケース・メソッド授業は、一般的な講義型研修とは異なり、参加者が自分の意見を述べ、ファシリテーターが議論を促すという方式をとっています。
教員が学生に対して一方的に話をする講義型授業の場合、「部屋を出た瞬間に多くの内容を忘れてしまう」と言われていますが、ケース・メソッド授業の場合、自分の意見に対して違う考えが出てきて、それに対してまた発言するということを繰り返します。
私自身、学生に戻っていた時、1,000以上のケースを読み込み、数々のグループ・ワーク、クラス・ディスカッションを行いましたが、「あの授業ではこういうことをやったなぁ」と卒業後、11年近く経過している今でも内容を覚えており、「自分の言葉にして話す意味」の重要性を痛感しています。
今回紹介する「GE変化の経営」は、元々製造業者であったゼネラル・エレクトリック（GE）が金融、ヘルスケアに進出し、その後、世界的なコングロマリット企業に変化した経緯などを説明しています。
2008年の金融危機の影響を受けて、GEは金融業務から撤退し、現在は経営者の交代などでチャレンジに直面していますが、色々な意味でGEの組織運営は参考になる部分が多いと感じています。
今回紹介する「GE変化の経営」の「イメルト（元CEO）の来日」部分で、GEの「タウンホール・ミーティング」の様子が描写されています。
面白いのは、ジェフ・イメルト元CEOのスピーチ自体が10分程度で、残りの50分はその場で出された質問への応答になることです。
今回紹介する「GE変化の経営」の中で、「その場で出された質問にCEOはアドリブで回答する」と説明されている部分については、外資系企業で長らく在籍していた私からすると「？」がつきます（事前に準備された質問の可能性があるということ）。
ただ、CEOがスピーチ10分、質疑応答50分のタウンホール・ミーティングを世界中で行うことは、結構大変であると感じています。
当然のことながら、質問が大量にないと50分も質疑応答を続けられないため、経営者と従業員が色々なことを普段から考えていないとできないことだとも言えますね。
GEは経営側と従業員の議論を活発にするため、このような方策を取っていると考えられますが、ビジネススクールにおけるケース・メソッド授業でも、議論を推進するためのグループ・ワークを重視しています。
5人から10人のグループ・ワークを行った上で、30人以上のクラス・ディスカッションに入ることでケースの内容をきちんと把握し、他の人の意見を確認した上で議論を行うことができるわけです。
そのため、実際のビジネス・シーンでも「あれ？この場面は、どこか（グループ、クラス）で議論した記憶があるぞ」となることがあります（実際、私自身が何度も遭遇しています😊）。
ホワイトボードのある部屋で書記の方がケースの設問を書いておき、進行役がそれに基づいて議論を進め、タイムキーパーが時間を確認することで、チーム・ビルディングのトレーニングにもなります。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう！
PDCA日記が更新されたら通知が欲しいという方がいましたので、そのような場合は Twitter をご利用ください😊。https://twitter.com/MPdca
P.S. その昔、Mr. PDCAという人が、ある国際企業のリーダーシップ・プログラムに応募したのですが、その時の人事担当者との英語による電話インタビューのやり取りは以下のようなものでした。
（2010年7月パリの遠い夏の日「ミーン・ミーン」【←パリにセミはいない】）
某国際企業の人事担当者Oさん（In Boston, U.S.A.）：Mr. PDCAの強みは何ですか？
Mr. PDCA（In Paris, France）：私はリーダーシップが取れます。
Oさん：Mr. PDCAにとって、リーダーシップとは何ですか？
Mr. PDCA：私はリーダーシップが取れます（←答えになっていない😊）。
Oさん：合格です！
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余談ですが、英語の電話インタビューは、対面よりも合格しやすいと言われています。
電話であれば、事前に用意しておいた想定問答集をそのまま読みながら対応できるからです（経験談）。
対面での英語インタビューの場合、当たり前ですが紙に書いてあることをそのまま読み上げることはできないため、英語で質問をたたみかけられて、しどろもどろになった場合、挽回はチャレンジングになります（経験談！）。
ただ、パリの遠い夏の日に Mr. PDCA が行ったような「私はリーダーシップが取れます」の一点張りはリスキーな対応で、11年前はたまたま上手くいっただけでしょう😊。
これまた余談ですが、「遠い夏の日」と言えば、名曲「かたちあるもの」に以下のような素敵な歌詞が出てきます。
「寄り添える場所～♪ 遠い夏の日～♪ 温もり生きる喜び～♪ 全ての心に～♪」
「かたちあるもの」のPVに出てくる「ブタの蚊取り線香入れ」が好きです（2分46秒から😊）。
＜ Mr. PDCAのボンジュール英語「想定問答集」 = 「questions & answers」＞
今回出てきた「想定問答集」の英訳は、「questions & answers」になります。
日本語でも「Q&A」を使いますが、これは「questions & answers」の略だったわけですね😊。
Unlike general lecture-type training, the case-method training takes the form that participants express their opinions and the facilitator promotes discussion.
In case of lecture-type training, it is said that "After the lecture, most of the contents will be gone from your brain when you leave the room."
On the other hand, different ideas will come out toward your opinion in the case method training.
When I was returning to a student, I have read over 1,000 cases and did a countless number of group work and class discussions.
About 11 years have passed since I graduated from Business School, I still remember the contents of group work and class discussions, so I am keenly aware of the importance of "Meaning of speaking out in your own words".
The material to be introduced today "GE Change Research (Japanese only)" explains the details of General Electric's management style.
GE was originally a manufacturer, but it advanced into finance and healthcare fields, then changed to a global conglomerate company.
Due to the influence of financial crisis in 2008, GE has withdrawn from finance operations and now faces challenges, such as managerial shuffles, but GE's organizational management method is helpful for business persons in many ways, I suppose.
In part of "Immelt's Visit to Japan", the atmosphere of GE's Town Hall Meeting is described and the interesting thing is that the former CEO Jeff Immelt speech itself is only 10 minutes and the remaining 50 minutes are for Q&A.
I suppose that it is quite difficult to implement Town Hall Meetings around the world with 10 minutes of speech and 50 minutes of Q&A.
Naturally, the management side and employees regularly need to think about various things at GE, because it is not possible to continue Q&A for 50 minutes without a large number of prepared questions.
Let's function PDCA today!
In case you would like to receive a notice at the time of PDCA Diary post, please utilize Twitter😊. https://twitter.com/MPdca
P.S. As I explained in the past PDCA Diary, my case method training is focusing on group work.
After doing group work with 5 to 10 colleagues, you can move to class discussions with more than 30 people.
Through group work, you can grasp the contents of the case properly, check the opinions of other colleagues, and discuss with others.
I will continue to create cases and introduce them in PDCA Diary.
After having read the case, group work will be productive by all means with colleagues and the people around you😊.
