PDCA日記 / PDCA Diary

継続は創造だ! / Continuity is Creation!

PDCA日記 / Diary Vol. 824「手を使って仕事をする」/ "Work with hands"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 824「手を使って仕事をする

 

今となっては昔(?)のことですが、私は銀行員時代、「手ではなくアゴを使って仕事をする人」を数多く見てきました。

 

アゴを使って仕事をする人は、役員や部長などの部下がたくさんいる幹部であることが多かったように感じています。

 

銀行の上級管理職の場合、コピーを取ったり、お茶を汲むという基礎的な作業すら、秘書や部下に頼むケースが大半だったと記憶しています。

 

一方、私の最初の職場だった外資系金融機関では、「仕事以外の依頼を秘書や部下に頼むのはやめましょう」という取り組みが行われていました。

 

仕事以外の依頼とは、コーヒーを入れたり、クリーニングに出したシャツを取りに行ったりすることを指します。

 

驚くべきことに、これらの仕事以外の作業についても、秘書や部下に頼んでいるエグゼクティブ(?)が結構いたものです。 

 

ただ、仕事上の色々なプロセスを、秘書や部下に頼むこと自体は悪いことではありません。

 

銀行の偉い人たちはアゴを使うことで、部下を教育している(?)と考えられなくもないからです。

 

巨大組織の場合、上級管理職が何でもかんでも自分で全てやろうとすると、逆効果の時もあります。

 

アゴを使う」イコール「部下に仕事を任せる」と捉えている管理職であれば、問題はないのでしょう。

 

私の好きな古典の一つに、「戦争と平和」があります。

 

戦争と平和(一)(新潮文庫)

戦争と平和(一)(新潮文庫)

 

 

戦争と平和」はロシアの文豪トルストイの代表作であり、手にしたことがある方も多いと思います。

 

実際に読まれた方はお分かりになると思いますが、この本はビジネスにおいても応用可能な記載が多く含まれています。

 

戦争と平和」の主要登場人物として、ナポレオンとクトゥーゾフが知られています。

 

ナポレオンは、言わずと知れたフランスの皇帝でした。

 

ナポレオンは、戦場を事前に細かくチェックし、地形等も確認した上で作戦計画を準備し、実際の戦闘になると自ら前線を駆け回って、兵士たちに詳細な命令を与える指揮官として、「戦争と平和」の中で描かれています。

 

一方、ロシア軍の総司令官だったクトゥーゾフは、ナポレオン軍がロシアに侵攻後、「モスクワ明け渡し」という有名な作戦を実行し、最終的に勝利を収めた大将です。

 

クトゥーゾフは、ナポレオンとは正反対のリーダーでした。

 

クトゥーゾフは戦場に赴くこと等はせず、それどころか会議中に居眠りをするような人で、「動かない大将」と陰口を叩かれることもあったそうです。

 

ただ、戦争全体の大局を見極めていたのはクトゥーゾフであり、「モスクワを放棄してもロシアを失ったことにはならない」という有名なセリフを残して、モスクワからの退却を決定します。

 

ロシアに入ったナポレオン率いるフランスの60万人以上の大軍は、感染症であるチフスだけではなく、冬将軍にも苦しめられます。

 

ナポレオンがモスクワから撤退を始めた際、クトゥーゾフは「決してロシア国境を越えてフランス軍を追わないよう」全軍に指示を出しており、結果的に全ての判断が正しかったと「戦争と平和」の中で説明されています。

 

ナポレオンがロシアで失敗した背景に、「細かく決めすぎた」ことがあります。

 

現実の戦闘は、指揮官の命令とは無関係に、刻々と変化する状況に瞬間ごとに反応する兵士たちの行動によって進行するものです。

 

戦争と平和」の中で、「ナポレオンによって作られた『天才的な』作戦指令は、一つとして実行されなかった。そもそも、実行されるはずがなかった」とトルストイは述べています。

 

今回紹介する資料「考える教室は、大人のための哲学入門をキャッチフレーズにしており、「手を使って仕事をする」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

「頭を使えば、一見すると新しく見えるものを作ることはできるかもしれません。

 

でも、それは人の表層にしか届きません。

 

永続する何か、持続する何かを届けるためには、手を動かすような仕事がなければならないというのです。

 

頭だけを使っていると、仕事の深まりや労働との絆を作ることができなくなるかもしれない。

 

頭を働かせるのは素晴らしいことだけれど、頭を働かせるだけではなく、同時に手も動かすとよいということを、アレント石牟礼道子も伝えようとしていると思えてなりません。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 私自身、どのような立場になっても、このPDCA日記は自分の手を使って書く予定にしています。

 

過去の紹介した「身銭を切れ」の著者ナシーム・ニコラス・タレブ(以下、「NNT」)は、「アシスタントをおかない」ことを「一番良かった判断」としています。

 

アシスタントに調査などを依頼すれば、作家は執筆に集中できると思いがちです。

 

しかしながら、NNTによると「調べる時間にアイデアが色々と浮かんでくる」そうです。

 

私自身、PDCA日記で紹介する資料は全て自分で目を通し、翻訳作業も自身で行っています。

 

これらの作業をしている内に、色々なアイデアが浮かんでくるものです😊。

 

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「同時に」 = 「at the same time」>

 

今回出てきた「同時に」の英訳は、「at the same time」になります。

 

「同時に手も動かす」を英語にする場合、「Move your hands at the same time」とすればよいですね😊。

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 824 "Work with hands"
 

The material to be introduced today "Thinking Classroom (Japanese only)" has a catchphrase of "Introduction to Philosophy" and the following phrases were impressive.

 

"If you use your head, you may be able to create something that looks new at first glance.

 

But it only reaches the surface of humans.

 

In order to deliver something that will last, something that will last, there must be work that moves the hand.

 

If you use only your head, you may not be able to deepen your work or form a bond with work.

 

Working your head is great, but it doesn't seem like philosophers are trying to tell you that it's good not only to work your head but also to move your hands." (Unquote)

 

Let's function PDCA today!   

 

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