PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 959「インフレの歴史」/ "Inflation History"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 959「インフレの歴史

 

今回紹介する資料「紙幣と旅する」は、「お札から見る世界の国々」をキャッチフレーズにしており、「ハイパーインフレの紙幣出現」部分の以下のフレーズが印象的でした。

 

「18世紀のフランスでは、ブルボン朝が宿敵イギリスに対抗せんがため、財政的に無理を重ねていた。

 

1789年に勃発したフランス革命は、元々この財政難がきっかけだ。

 

国民議会(革命政府)はフランス国土の約10分の1を持つ教会の土地や財産に着目し、没収して国有化した。

 

そしてその資産を担保にし、アッシニアという5%付き国庫債券を発行した。

 

アッシニアは支払いに充てるという意味で本来は紙幣ではなく、実際には国有財産の引換券を意味していた。

 

しかし、アッシニアには国民議会が想定していたような信用力が無く、民衆は教会の資産没収が本当にできるのか疑問視した。

 

結局、議会はアッシニアが通用力を持つ紙幣への切り替えを迫られ、1790年には革命のため100万人を武装させたことなどで発行限度は大幅に引き上げられた。

 

さらに、革命が収束した後もアッシニアは大量に増刷し続けられたため、紙幣価値の大幅な下落が急激な物価騰貴(とうき)をもたらした。

 

ついに、1795年には世界初のハイパー・インフレーションが起き、アッシニアの価値は額面の1000分の3しかなくなった。

 

アッシニアは単なる紙切れ、いやまったくの紙くずになり、1796年には発行停止となった。

 

革命政府はアッシニアを回収してハイパーインフレの鎮静化を図るが、その後クーデターで政権の座に就いたナポレオンは逆にその回収を停止した。

 

結局、アッシニアに苦しめられ振り回されたのは、多くの善良なフランス市民であった。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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紙幣と旅する お札から見る世界の国々

紙幣と旅する お札から見る世界の国々

  • 作者:髙 康治
  • 株式会社PHPエディターズ・グループ
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P.S. 過去のPDCA日記で、「インフレが革命を誘発させてきた」ことを紹介しました。

 

フランス革命や中国の共産革命をはじめとして、世界中で政権が転覆するきっかけにインフレがあることは、よく知られています。

 

逆に言えば、デフレで革命が起きた例はないため、日本で長期政権が続いている背景には、今の経済状況があるのかもしれませんね(皮肉😊)。

 

 

また、ドイツでヒトラーが登場した背景にも、インフレがありました。

 

第1次世界大戦は1919年に終結しましたが、敗北したドイツはベルサイユ条約によって、多額の賠償金を背負うことになりました。

 

その後、ドイツ社会にハイパーインフレが到来することになるのですが、1929年に世界恐慌が発生し、経済が大混乱に陥ります。

 

1930年代初頭、ドイツでは約600万人が失業しており、ヒトラー率いるナチ党は選挙公約として、失業率の低下とベルサイユ条約の実質破棄を掲げます。

 

1933年に政権を掌握したヒトラーは、アウトバーン高速自動車国道)の創設や再軍備によって、失業率を低下させることに成功します。

 

ヒトラーの経済政策については色々な意見がありますが、このPDCA日記でもヒトラーが題材になっているエントリーがありますので、興味がある人は読んでみてください😊。

 

 

デフレ気味の日本に住む我々からすると、ハイパーインフレはイメージがしにくいかもしれません。

 

ただ、2001年に私がアルゼンチンを訪問した際、現地の友人が以下のようなコメントをしていました。

 

「1990年代にアルゼンチンが経済危機に陥った際、スーパーマーケットの野菜の値段が朝と夜で値段に倍の違いがあった。」(アルゼンチンの友人コメント終わり)

 

当時のアルゼンチンでは、スーパーマーケットの店員が朝つけた値札を夜には変えなければならず、大変な重労働だったそうです。

 

つまり、朝は100ペソだったブロッコリーが、夜には200ペソになったということであり、スーパーマーケットのスタッフは値札の交換に大忙しだったということです。

 

似たような話はどこかの国で今も起こっており、インフレのチャレンジングさを感じますね。

 

ウクライナ危機によって、ロシアの通貨であるルーブルの価値が半値以下になっています。

 

通貨の価値が半値になるということは、物価が大幅に上昇することを意味し、2022年2月のロシア物価上昇は7年ぶりの高い水準になっています。

 

 

人類の歴史から見ると、インフレが革命を起こしてきたわけですが、ロシアは大統領制を採用する民主主義国家という扱いに一応はなっています。

 

ロシアの大統領任期は6年であり、次回の大統領選挙は2024年に予定されています。

 

インフレが革命(政権交代)を起こすという歴史のセオリー通じるのかどうか、ロシアの2024年の大統領選挙に注目したいと思いますね。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「宿敵」 = 「nemesis

 

今回出てきた「宿敵」の英訳は、「nemesis」になります。

 

「宿敵イギリスに対抗せんがため、フランスは財政的に無理を重ねていた」を英語で表現する場合、「France was financially overwhelmed to compete with its nemesis Britain」とすればよいですね😊。

 

紙幣と旅する お札から見る世界の国々

紙幣と旅する お札から見る世界の国々

  • 作者:髙 康治
  • 株式会社PHPエディターズ・グループ
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<マドモアゼルPDCAのメルシー映画「GIANT KILLING」>

 

本日は、アニメ「GIANT KILLING」を紹介します。

 

 

GIANT KILLING」の原作は漫画であり、こちらも面白かったですね😊。

 

 

アニメ「GIANT KILLING」は、日本の弱小プロチームであるETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)に新監督として就任した達海猛(たつみたけし)が主人公です。

 

ETUには村越茂幸(むらこししげゆき)というベテランのキャプテンがいましたが、達海は「走れないキャプテンはいらない」とすぐに見切りをつけます。

 

また、達海は責任感が強い村越に対して、「キャプテンが責任感を持つ必要はない。それは監督の仕事だ」と突き放します。

 

アニメ「GIANT KILLING」で面白かったのは第3話で、達海は最初の練習を「自習」にして、選手達に自由に練習をさせます。

 

自習を課された選手達は、それぞれに練習を始めるのですが、指揮官がいないため、もめごとに発展します。

 

グーグルが2008年に「マネージャーが必要かどうか」という大掛かりな調査を行ったのですが、結論は「マネージャーがいるチームの方が生産性が高い」という結果が出ました。

 

アニメ「GIANT KILLING」でも、マネージャー(監督)がいない状態では生産性が落ちる(練習ができない)状態になったため、グーグルの調査結果はスポーツにも当てはまるということですね。

 

アニメ「GIANT KILLING」は、ビジネスパーソンにとっても役に立つ作品であるため、チームマネジメントにチャレンジを抱えている管理職の方は、是非観賞してみてください。

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 959 "Inflation History"
 

The material introduced today "Travel with Banknotes (Japanese only)" has the catchphrase "Countries of the world seen from the bills", and the following phrases in the "hyperinflationary banknote appearance" part were impressive.

 

"In France in the 18th century, the Bourbon dynasty was financially overwhelmed because it was against its nemesis Britain.

 

The French Revolution, which broke out in 1789, was originally triggered by this financial difficulty.

 

The National Assembly (revolutionary government) focused on the land and property of the church, which has about one-tenth of the land of France, and confiscated it and nationalized it.

 

Then, using that asset as collateral, he issued a government bond with 5% called Assignat.

 

Assignat was not originally a banknote in the sense that it was used for payment, but actually meant a voucher for state-owned property.

 

However, Assignat did not have the creditworthiness that the National Assembly had envisioned, and the public questioned whether the church's assets could really be confiscated.

 

In the end, Congress was forced to switch to banknotes with the power of Assignat, and in 1790 the issue limit was significantly raised by arming 100 people for the revolution.

 

Furthermore, even after the revolution ended, Assignat continued to reprint in large numbers, and the sharp decline in the value of banknotes brought about a sharp rise in prices.

 

Finally, in 1795, the world's first hyperinflation occurred, and Assignat's value was only three-thousandths of face value." (Unquote)

 

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