PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 968「合理性は政府内で実現可能か?」/ "Is rationality feasible within the government?"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 968「合理性は政府内で実現可能か?

 

私は以前、金融機関で当局対応をしており、日本の中央官庁と約5年間やり取りをしていました。

 

その中で感じたことは、政府や役所業務の非効率性でした。

 

オンライン全盛の時代に紙文化が横行している状況に驚きとあきれを感じながら、当時(2011年~2016年)は悶々と日々を過ごしていたものです。

 

今回紹介する資料「テキストブック政府経営論」は、政府に経営の概念を持たせるにはどうすればよいかという内容について議論を行っています。

 

今回紹介する資料「テキストブック政府経営論」で印象的だったのは、「合理性は政府内で実現可能か?」部分で、経済学者による政府の合理化についての分析が行われています。

 

ただ、本書を読んでみて今一つ納得できなかったのは、大学という合理性のあまりない世界にいる経済学者によって、政府の非効率性が解説されているからかもしれません。

 

今回紹介する資料「テキストブック政府経営論」は、政府や役所に勤めていたり、当局とのやり取りが多い人におすすめの一冊です。

 

経済学の父と呼ばれているアダム・スミスは、名著「道徳感情論」の中で、「政府に近づくほどビジネスは非効率になる」と述べています。

 

道徳感情論 (日経BPクラシックス)

道徳感情論 (日経BPクラシックス)

 

 

役所の場合、「コストを考える必要がない」ため、政府に近づけば近づく(規制が厳しい)ほど、民間企業はコストがかかることになります。

 

過去にもお伝えしたことがありますが、私が当局担当者だった時、有名な(?)「わら半紙事件」が発生しました。

 

私の前職が過去に行政処分を受け、定期的に当局へ報告を行っていたことがあり、その時に「わら半紙事件」は起こりました。

 

当時、私は四半期ごとに霞が関の役所に行き、資料を提出していました。

 

その際、一度提出した資料の中で、1枚だけを差し替える必要が出たことがあったのです。

 

私から当局担当者に対して、「メールでファイルをお送りしますので、御庁(おんちょう)の方で差し替えて頂きますでしょうか?」と依頼をしました。

 

そうすると、当局担当者は以下のような回答をしました。

 

「Mr. PDCA、恐縮ですが差し替える部分の紙(1枚)を持って役所までお越しください。こちらでプリントアウトすると、紙質が異なってしまいますので。」(当局担当者コメント終わり)

 

私の前職は真っ白な紙を使っていたのですが、この役所では「わら半紙(ばんし)」のような黄色味を帯びた安価な紙を使っていたのです(昔の小学校などで使っていましたが、今はないのかな?)。

 

真っ白な紙の報告書の中に、1枚だけ黄色味を帯びた紙が入るのは「適切ではない」とこの担当者は判断したようで、私は1枚だけ紙を持ってタクシーに乗り、当局へ提出に行ったのでした🚖。

 

民間企業の場合、私が役所に行くまでの往復時間や準備作業で発生するコストを考えます。

 

しかし、役所はコストを考えないため、規制産業で働くほどビジネスが非効率になってしまうのです。

 

私の「紙1枚だけ持って役所に提出エピソード」に限らず、現金10万円給付の非効率な作業を見ても、日本の行政がいかに遅れているか確認できますね。

 

日本の自動車産業や飲食業が競争力を維持している背景には、「政府が余計なことをしなかった」ことがあるように私は考えていますね。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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テキストブック政府経営論

テキストブック政府経営論

 

 

P.S. 私はフランスの学校を卒業する際、大学に残って博士課程に進むか、ビジネスの世界に戻るか結構悩みました。

 

博士課程に進む場合、博士号取得まで4年から5年かかることになります。

 

この長い時間を大学で過ごすことについて、イメージが湧かなかったことと、大学という世界の非効率性に疑問を抱いていたことが、私をビジネスの世界に戻したと言えます。

 

日本の私立大学の場合、学長を選ぶのは教授会であることが知られています。

 

民間企業に例えると、部長会が社長を選ぶことに似ています。

 

部長会が社長を選ぶ民間企業があるとしたら、どのようなことが起こるでしょうか?

 

社長は部長に嫌われない施策ばかりを取り、大局的な判断を行いにくくなります。

 

日本の大学がグローバルな競争についていけていない理由の一つとして、この教授会というシステムがあると私は考えています。

 

フランスの大学院を卒業して10年以上が経過しましたが、ビジネスの世界に戻って良かったと感じています😊。

  

 < Mr. PDCAのボンジュール英語「合理性」 = 「rationality」>

 

今回出てきた「合理性」の英訳は、「rationality」になります。

 

「合理性は政府内で実現可能か?」を英語にする場合、「Is rationality feasible within the government?」とすればよいですね😊。

 

テキストブック政府経営論

テキストブック政府経営論

 

 

<マドモアゼルPDCAのメルシー映画「Daughters(ドーターズ)」>

 

本日は、映画「Daughters(ドーターズ)」を紹介します。

 

 

映画「Daughters(ドーターズ)」は、目黒川周辺に2人で暮らしている女性の物語です。

 

若さと美しさ、そしてやりがいのある仕事を持つ堤小春(三吉彩花)と清川彩乃(阿部純子)は、都心での充実した生活を送っています。

 

ただ、清川彩乃が妊娠したことを堤小春に告げ、2人の日々は一変します。

 

酒を浴びるように飲んでいた清川彩乃が断酒し、炭酸水を飲む姿を見ながら、堤小春は「すごいね~、私もそういう日が来るのかな~」と呟いているシーンが一番印象的でしたね。

 

未婚の母になる決意をした清川彩乃に対して、堤小春は夫のように支え始めます。

 

映画「Daughters(ドーターズ)」は、色々な愛の形があることを感じさせる良い映画であると感じました。

 

そう言えば、私がフランスで学生をしていた時、オーストラリア人の留学生が「彼女に子供が生まれた」という話をしてくれたことがありました。

 

ただ、そのオーストラリア人は故郷に残してきたガールフレンドと結婚はしておらず、「結婚する予定もない」ということでした。

 

「妊娠=結婚」という概念は日本や韓国で一般的であり、日本では「できちゃった婚」と言いますが、韓国では「スピード違反」と表現するそうです。

 

国や地域によって、考え方に違いがあるのは興味深いですね。

 

三吉彩花は「ダンスウィズミー」、阿部純子は「461個のおべんとう」という映画にも出ており、どちらも面白かったです😊。

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 968 "Is rationality feasible within the government?"
 

The material introduced today "State Management: An Enquiry into Models of Public Administration & Management" discusses how to give the government a concept of management.

 

What impressed me in this book was the part "Is rationality feasible within the government?" where economists analyzed the rationalization of government.

 

This book is recommended for people who work in the government or public offices and who often interact with the authorities.

 

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