突然ですが、問題です。
皆様は以下の二択がある場合、どちらを選びますか?
a. 確実に3,000円支払わなければならない。
b. 8割の確率で4,000円支払わなければならないが、2割の確率で1円も支払わなくてもよい。
bを選ばれた方も結構いるのではないでしょうか?
ただ、合理的な選択はaです。
損失の期待値がマイナス3,200円(4,000円×0.8)になるbの方は、非合理的な選択となります。
今回紹介する資料「未来実現マーケティング」は、「人生と社会の変革を加速する35の技術」を紹介しており、「ペインの解消(損失回避性)」部分の以下のフレーズが印象的でした。
「人が行動する時は、2つしかない。
快楽を求める時か、それとも損失を回避する時かだ。
そして、どちらのほうがより行動するかといえば、圧倒的に損失を回避する時だ。
この特性のことを損失回避性という。
そこで『いったい何が、顧客にとって損失になるのか?』という問いについて深く考え、顧客の痛み(ペイン)を把握することが、マーケティングにおいて極めて重要になる。」(引用終わり)
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
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P.S. 太平洋戦争が始まった1941年当時、アメリカと日本の国力差は20対1でした。
このことは経済学者だけではなく、当時の日本政府首脳も理解していました。
にもかかわらず、1941年12月に日米開戦を日本政府が選択したのはなぜなのでしょうか?
その答えを解く鍵が、プロスペクト理論です。
「経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く」という本は、以下の仮設を立てています。
a. 1941年8月以降はアメリカの資金凍結・石油禁輸措置により日本の国力は弱まっており、開戦しない場合、2-3年後には確実に「ジリ貧」になり、戦わずして屈服する。
b. 国力の強大なアメリカを敵に回して戦うことは非常に高い確率で日本の致命的な敗北を招く(ドカ貧)。ただ、非常に低い確率ではあるが、日本が開戦直後に有利な展開に持ち込むことができればアメリカは交戦意欲を喪失し、早い段階で有利な講和を結べる(かもしれない)。
ーーー
「どちらにしても負けるのであれば、合理的ではない判断を人間は行う(リスク愛好的になる)可能性がある」という本書の説明は、非常に興味深いと感じました。
当時の日本政府首脳が、 b のような考えで判断を行ったかどうかの確証は取れません。
ただ、ビジネスにおいても同じ現象が起こりえると私は思います。
人間は、損失についての選択肢ではリスク愛好的になってしまいます。
一方、利得についてはリスク回避的になることがプロスペクト理論で説明されています。
a. 確実に3,000円もらえる。
b. 8割の確率で4,000円もらえるが、2割の確率で1円ももらえない。
上記のような形に選択肢が変更された場合、多くの人は期待値の大きさと反対に「確実に3,000円もらえる」という選択肢aを選ぶことが分かっています(合理的な選択肢はb)。
この理屈と同じように、1941年に日本政府が取りうる選択肢として、「3年後にジリ貧になって屈服する」というネガティブなものではなく、「今(1941年)は戦わず、3年後でもアメリカと勝負できる国力と戦力を保持できるプラン」のようにポジティブな選択肢であれば、「日本が致命的な敗北を喫するリスクを避けて開戦回避という選択肢が選ばれた可能性がある」と本書は指摘しています。
「ネガティブなプランではなく、ポジティブな選択肢を提示することで、合理的な判断が行われる可能性がある」と解説するプリンシパル理論は、ビジネスを行う上で役立つのではないかと、今回紹介する資料「経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く」を読んで感じましたね😊。
現状に不満を述べているよりは、チャレンジングな状況でも与えられている仕事に前向きに取り組み、日々改善を続ける方がビジネスにおいて重要であるということですね。
< Mr. PDCAのボンジュール英語「非合理的な」 = 「irrational」>
今回出てきた「非合理的な」の英訳は、「irrational」となります。
「合理的な」の英語は「rational」となり、分かりやすいですね😊。
【PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 1,776 "Present positive options"】
The material introduced today "Future Realization Marketing (Japanese only)" explains "35 tips that accelerate the transformation of life and society", and the following phrases were impressive.
"When a person acts, there are only two.
It's time to seek pleasure or avoid losses.
And which one is more active is when it is overwhelmingly avoiding losses.
This characteristic is called loss avoidance." (Unquote)
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