PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 511「疫病と宗教の関係」/ "Relationship between Plague & Religion"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 511「疫病と宗教の関係」】

 

江戸時代は、住んでいるところを離れることが基本的にできない社会でした。

 

坂本龍馬のように藩をまたいで行動することは、「脱藩行為」として厳しく処罰される対象でした。

 

明治維新がおこり、廃藩置県が実行されて、現在の都道府県の仕組みが構築されることになりました。

 

1871年廃藩置県が実施されたときは、新幹線や高速道路、インターネットがなく、人々の移動には時間がかかり、離れた人とのコミュニケーションは郵便などを使わざるを得ませんでした。

 

ただ、廃藩置県から150年近くが経過し、明治時代に作られた都道府県の仕組みが限界に来ているという意見が語られるようになっています。

 

よく考えれば、日本全体でもアメリカのカリフォルニア州の半分しか面積がないため、47都道府県に分けているよりも、道州制のような形にする方が自然であるという考えが合理的であるようにも感じます。

 

今回紹介する資料「感染症は世界をどう変えてきたか」は「人類とウイルス・病原菌の攻防史」を解説しており、「インドのカースト制度:征服者アーリヤ人が土着の疫病を防ぐために発送した」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

「インドのカースト制度の歴史は古い。

 

はるか古代、バラモン教の確立したあたりに始まるが、じつはその成立は感染症と関係する。

 

このことは、大著『世界史』で名高い歴史家ウイリアム=H=マクニールが、その著『疫病と世界史』で指摘しているところでもある。

 

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

 
疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)
 

 

インドの新たな支配者たちが、インド内の疫病を恐れて部族同士の隔離を図ったのが、カースト制度の始まりという推測だ。

 

インドは、紀元前2300年から紀元前1700年にかけて、インダス文明の時代を経験する。

 

インダス文明の源泉は農耕であり、都市文化が栄えた。

 

インダス文明を担ったのは、ドラヴィダ語を話す民族だったが、紀元前2000年頃から1000年ほどの時間をかけて、中央アジアにいたアーリヤ人たちがインドに侵入してくる。

 

アーリヤ人たちは遊牧系であり、次第にインダス文明の形成者たちを圧倒し、支配者となっていく。

 

彼らによりバラモン教も創始される。

 

インダス文化下に栄えた都市ハラッパーや、モヘンジョ=ダロ(モエンジョ=ダーロ)は、放棄された格好でいまも廃墟と化している。

 

なぜ放棄されたかはいまだ謎なのだが、アーリヤ人たちが持ち込んだ疫病が都市住人に集団発生し、衰滅に追い込まれていたとしても不思議ではない。

 

アーリヤ人たちは疫病の加勢を得て、インドで優位に立ったとも指摘できる。

 

一方、アーリヤ人たちもインドにあった土着の疫病に苦しんでいた。

 

インドにはコレラが風土病としてあり、ハマダラ蚊が繁殖しやすい気候なのでマラリアが流行してもおかしくない。

 

疫病に苦しむアーリヤ人たちがたどり着いたのは、部族別の隔離の発想である。

 

部族同士の接触を絶つことで、疫病の拡大を防ごうとしたのだ。

 

これが、カースト制度となる。

 

カースト制度では、バラモン(司祭)、クシャトリヤ(王侯、戦士)、ヴァイシャ(農業、牧畜、商業従事者、シュードラ(奴隷階級)に身分が分かれる。

 

このうちシュードラは、征服されたインドの先住民たちであり、アーリヤ人たちは、先住民との接触を避けることで、疫病感染から逃れようとしたのである。

 

ちなみに、バラモン教から分離して仏教を興すブッダは、クシャトリヤの出身である。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 今回紹介する資料「感染症は世界をどう変えてきたか」を読みながら、南米でカトリック教が普及した理由を思い出しました。

 

カトリック教では、原則として中絶が認められておらず、発展途上国が多い南米の国々で貧困を助長させているという指摘があります。

 

産児制限を行い、人口を抑制させる方が南米では合理的に見えますが、スペイン人が1500年代から南米支配を開始し、政治的統制と同時にカトリック教も急拡大することになります。

 

南米でカトリック教が普及した理由として、色々な意見があります。

 

ただ、支配者として登場したスペイン人が持ち込んだ疫病で南米の人々が苦しむ中、免疫があるスペイン人がピンピンしていたことが大きいと指摘する識者がいます。

 

当時の南米の人々は感染症に罹る一方、スペイン人が元気である様子を見て、「カトリック教を信じること=疫病から逃れられる」という思想(?)に走ったということでしょうか。

 

この点については、色々な考えがあると思いますので、詳しい方は是非コメント欄からご意見をお聞かせください :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「疫病」=「plague」>

  

今回出てきた「疫病」の英訳は、「plague」になります。

 

「疫病と宗教の関係」を英語にする場合、「Relationship between plague and religion」とすればよいですね :-)。  

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 511 "Relationship between Plague & Religion"】

 

The material "How Infectious Diseases Have Changed the World (Japanese only)" explains "History of Offense and Defense of Humans and Viruses / Pathogens", and the following phrases were impressive.

 

"The history of the Indian caste system is old.

 

It started around the time when Brahmanism was established in ancient times, but its establishment is actually related to infectious diseases.

 

This is also pointed out by historian William H. McNeill, who is famous for his great book 'A World History', in his book 'Plagues and Peoples'" (Unquote)

 

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A World History

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Plagues and Peoples (English Edition)

Plagues and Peoples (English Edition)

 
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