【PDCA日記 Vol. 164「経験主義から脱却する」】
「Mr. PDCA、経営に必要なのはKKD（経験・勘・度胸）ですよ！経営指標なんて邪魔なだけですからね。はっはっは！」
私はコンサルタントとして、ベンチャー企業やIT企業の社長とお話する機会が多くありました。
冒頭の「KKD重視発言」はよく耳にしたもので、経営指標等のデータを私が提示しても、最初は見向きもしてくれないことがほとんどでした。
ただ、実際に働かれている方々と議論し、会合の内容を議事録に落とし、「誰が何をいつまでに実行するか」をタスクにした上で効率化を提言すると、経営者が耳を傾けてくれるようになりました。
現場のデータを経営判断に活用している大企業のケースとしては、重機メーカーのコマツが有名です。
コマツは、世界中のビジネススクールのケースで登場するようになっているのですが、その背景には「KOMTRAX（コムトラックス）」があります。
KOMTRAXは機械稼働管理システムで、どの重機が世界のどの場所にあって、エンジンが動いているのか止まっているのか、燃料がどれだけ残っているのか、昨日何時間稼動をしたのか等を、コマツ本社で確認できるようになっています。
元々は、1990年代後半に日本で油圧ショベルを使ったATM盗難が相次ぎ、コマツの重機にGPSをつけることで、犯人を探し出すことができるのではないかという発想で、KOMTRAXは生まれました。
KOMTRAXをつけた重機が盗難された場合、購入者がコマツに連絡をすることで、機械を停止することが可能になっています。
そのため、「コマツの重機を盗難しても、動かなくなるから盗んでも意味がない」ことが反社会的勢力の間で認識され、世界中で「コマツの重機は盗まれないし、性能が素晴らしい」と評判になり、世界ナンバーワンの重機メーカーだったアメリカのキャタピラーとコマツは肩を並べるまでに成長しました。
また、KOMTRAXを活用しながら、コマツは経営判断を行っていると言われています。
コマツの経営会議では、世界中のKOMTRAXデータをみて、「どの国で重機が活発に動いているか、どの地域で動きが弱まっているか」を定量的に確認した上で、次の投資先を議論し、経営判断を行っていると考えられています。
前置きが長くなりましたが、今回紹介する「チームで最高の結果を出す目標管理」は、「データを活用した根拠ある対策を！」をキャッチフレーズにしたデータ活用本です。
本書で目を引いたのは「経験主義から脱却させ、科学的に実施する企業が伸びていく」部分で、「ビジネスに必要なデータは難しい数字である必要はない」という説明も印象的でした。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう！
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P.S. 皆様の上司や同僚で、KKD（経験・勘・度胸）を全面に押し出してくる人がいる場合、対処法としては客観的なデータに基づいて説得することがあります。
それでも説得が困難な場合、数字に基づいた経営が行われていない可能性が高いため、自分で事業を始めることなどを検討してみるとよいでしょう :-)。
＜ Mr. PDCAのボンジュール英語「経験主義」 = 「empiricism」＞
今回出てきた「経験主義」の英訳は、「empiricism」となります。
「Empiricism」は「経験論」と訳されることもあり、「人間の知識は経験に由来する」という心理学上の考えのことです。
経験論は、古くは古代ギリシア哲学においても議論されていたことですが、現代の企業経営においても、登場してくることが興味深いですね。
The material to be introduced today "Goal Management by Team (Japanese only)" emphasizes the importance of data utilization for goal setting.
The most impressive part was ”Escape from empiricism” and this book also explains that "The data necessary for business is not required to be difficult figures".
"Goal Management by Team" reiterates that "MBO (Management by objective & self-control) is a management activity implemented by all employees", and it also states the following three rules as a success factor in goal management.
1. Achieve the goal with the team
2. Think accurately by using data
3. Accumulate know-how and increase achievement repeatedly
Let's function PDCA today!
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