PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 305「転職とマルクスの支配論」/ "Job Change & Marx's Theory of Domination"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 305「転職とマルクスの支配論」】
 

先日、あるメーカーに転職されたYさんと朝食をお供したのですが、「前職における常識」の違いが話題になりました。

 

(某日午前8時:都内某レストラン)
Mr. PDCA(以下「P」):新しい職場はどうですか?(モグモグ)
Yさん(以下「Y」):想像とは違いました。聞いて下さいよ。(ムシャムシャ)
P:チャレンジングなことがあるのですか?
Y:今の職場で、前職の常識に沿って動くと注意されるんです。
P:注意?
Y:上司からある仕事を依頼されたのですが、その目的が分からなかったので、前職の常識に沿って、「なぜこの仕事をしなければならないのですか?」と聞いたんです。そうしたら、上司からこう言われたんです。「『なぜ』とかはいいから。言われたことを、すぐにやってくれないかな。」
P:なるほど。私の前職の銀行でも同じでしたね。新人の時、「『はい』か『イエス』以外は言うな」と叩き込まれた習慣が、未だに残っています。
ーーー

 

今回紹介する資料「支配の政治理論」の「マルクスの支配論」部分で、上記会話に関連する以下のような内容を説明しています。

 

「常識的推論では、支配者である資本家が意識的に支配を行い、支配を永続化できる社会構造を意図的に作り出してきたということになるだろう。

 

ところがマルクスによれば、事の真相は異なる。真実はむしろ、支配された労働者のほうが、自ら意図せずして自らが支配されるような社会をもたらしてしまったというのである。

 

つまりマルクスにおいて支配とは実は、それぞれがそれぞれにとって完全な他者である支配者と被支配者の単純な敵対関係ではなく、むしろ支配される者自身の自己呪縛の問題なのである。」(引用終わり)

 

Yさんは前職を離れた後でも過去の常識に縛られ、私は銀行を退職しているのに「首を縦にしか振れない縦社会」意識が残っており、マルクスのいう「支配される(されていた?)者自身の自己呪縛の問題」を引きずっているのかもしれません。

 

今回紹介した資料「支配の政治理論」は「常識イデオロギーによる支配」部分で、常識と論理の関係について以下のようにも解説しています。

 

「動物に苦痛を与えていけないといえば、誰しも常識だと受け止めよう。しかし、『牛も豚も苦痛を感じているのだから、肉食をやめるべき』といえば、非常識な極論だと拒絶される。

 

これはつまり、常識とは必ずしも論理的に適切で広く受け入れられるべき多数意見を指すのではなくて、そのような穏当な意見の外観をしたものに過ぎない場合がある。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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支配の政治理論

支配の政治理論

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P.S. 常識は、国や地域によっても異なっており、やり方を間違えると人間関係を崩壊させるリスクがあります。

 

例えばですが、フランス人と蕎麦屋に行って、何も言わずに普段通り音を立てて食べてしまうと、二度と食事に行ってくれなくなる可能性があります。

 

この場合、「日本において、蕎麦は音を立てて食べることがマナーなのだが気にしないか?」と事前に確認し、「構わない」という場合であれば普通に食べて、「やめて欲しい」と言われれば、音を立てない等の方策が考えられます(関係性にもよるため、やり方に正解はありません)。

 

音を立てて熱いものを食べるのは、「空気を一緒に口に入れることで、食べ物の温度を下げる」ためとも言われています。

 

食事中に音を立てる文化がないフランスでは、「とてつもなく熱い食べ物や飲み物」は基本的に出てきません。

 

そのため、フランス人と鍋料理屋に行くと、彼らの食事スピードは大変遅くなります(熱々のものを食べる習慣がなく、音を立てないことから空気が入らずに、熱いものをそのまま口に入れることができないため 🍲)。

 

ラーメン等の熱々のものを日本で楽しめるのは、食事における音文化(?)があるからかもしれませんね :-)。

 

<Mr. PDCA のボンジュール英語「音を立てて飲食する」 = 「slurp」>

 

外国人と麺類を食べに行く際、「You can slurp your noodle in Japan(日本では、麺をすすって食べても大丈夫)」と私は伝えています。

 

海外拠点で働く場合、食文化だけではなく、商慣習や言葉の違いも駐在員にとってはチャレンジになってきますが、色々なことを吸収するチャンスでもありますね :-)。

 
PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 305 "Job Change & Marx's Theory of Domination"】

 

The other day, I had breakfast with Mr. Y who started working at one manufacturer, but he seemed facing a challenge for cultural differences.

 

(One day at 8 am in Tokyo)
Mr. PDCA (P): How is your new workplace?
Mr. Y (Y): It is a strange workplace.
P: Do you have any challenging things?
Y: At my current workplace, common sense at my former employer is not functioning.
P: Not functioning?
Y: I was asked to do some work from my boss, but I could not understand its purpose. Therefore, I asked her that "Why should I do this work?" in accordance with common sense at in my former workplace. Then, my boss said that, "I don't want to hear 'why' here, please do what I told you right away".
P: I see. It was the same in my previous workplace. When I started working at bank 20 years ago, what I could say was just "Yes, sir" or "Yes, ma'am".
ー ー ー ー

 

The material to be introduced today "Political Theories of Domination (Japanese only)" explained the interesting discussion related to the above mentioned conversation.

 

"People tend to think that 'Capitalists are trying to control workers in capitalism. However, the truth is that workers are controlling by themselves according to Marx."

 

Even after leaving the former employer, Mr. Y was bound by the previous common sense, and although I retired from the bank several years ago, I have been trapped in authoritarian customs only saying "Yes, sir" or "Yes, ma'am" to seniors.

 

Common sense also differs depending on the country and region, and if you make a mistake, there is a risk of breaking relations with others.

 

For example, if you go to soba (Japanese noodle) restaurants with French friends, you had better ask him or her that "In Japan, we can slurp our noodle. Do you mind if I slurp here?"

 

In case, he or she replies "I don't mind, you can slurp", I will slurp my noodle, but if that French person says "I do mind, so please don't slurp today", I will eat soba noodle without sound.

 

It is said that slurping has the effect of "putting air in your mouth together to lower the temperature of hot food or drinks".

 

In France, there is no culture to slurp and we don't see extremely hot food or drinks in that country.

 

We might be able to enjoy very hot food and drinks such as ramen noodle in Japan because of slurping culture :-).

 

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