PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 5「目標達成を追いかける旅」/ "Journey to Pursue Goals"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 5「目標達成を追いかける旅」】
 
先週は、「ノルマ営業」という言葉を新聞やニュースで見聞きしましたが、私が金融機関で営業をしていた時も「バジェット」と呼ばれるノルマに追われていました。
 
今回紹介する資料「僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた」は、SNSやゲームに依存する現代人の傾向について解説していますが、目標追及に関する以下のフレーズが印象的でした。
 

「現代における目標とは、プロセスの到達地点ではない。目標を追いかける旅が終わることはない。

 

そして、往々にして、目標を達成すればするほど、目標を達成することの喜びが目減りしていく。

 

目標文化が拡大している証拠はいくらでも見つかる。

 

たとえば、以前は英語で書かれた書籍に『目標追及(goal pursuit)』という言葉が登場する回数はゼロに近かったのに、1950年を境に爆発的に増えた(P121)」(引用終わり)

 

私自身が以前、ノルマに追われて営業をしていた際、「この目標は無理だろう~」と思いながら日々顧客訪問をしていました。

 

本書によると、現代人は自分から目標追及をしている傾向にあり、ノルマを達成しなくても生きていけるにもかかわらず(営業以外の仕事をしたり、自営で働いたりすれば良いということね :-)、永遠に目標を追求しようとしていると説明しています。

 

倫理やコンプライアンスの観点から、問題になるようなことがあってもノルマを優先しようとする一部の動きは、外部から見れば「どうしてそんなことを?」と思われるかもしれません。

 

ただ、私自身もノルマ至上主義の組織に一時期いましたので、当時のことを振り返りながら思うところがかなりあり、本書は色々な意味で発見が多い書籍でした。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

 

P.S. 金融機関で営業していた時、どう考えても達成不可能な収益目標を与えられた事を、多くの営業担当者は「こんなの無理だよ~」と色々な人になぜか自慢気に話していたことを覚えています。

 

ノルマを押し付けられることは、人間にとって苦痛なはずですが、営業担当者たちはそれを達成した後、更なる不可能に見える収益目標を与えられ、それを達成しようと必死にもがいていました。

 

ノルマ達成の対価として与えられていたのはインセンティブ・ボーナスですが、マルクスエンゲルスが「資本論」で述べたように、「歩合制の報酬は企業(資本家)にとって都合のいいやり方」だったと改めて思う今日この頃です :-)。

 
< Mr. PDCAのボンジュール英語「依存 = addiction」>
 
今回出てきた「依存」を英語にすると、「addiction」になります。
 
今回紹介した資料「僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた」が、「addiction」の語源を以下のように興味深く解説しています。
 
古代ローマでは、『addiction』は『奴隷となる宣告を受ける』という意味だったのだ。
 
人にお金を借りて返せなければ、裁判でこの言葉を言われる。
 
借金を返し終わるまで、奴隷として働かなければならない、というわけだ。
 
のちに言葉が進化して、虜になる、つまり断ち切りがたい熱中を指すようになった。(P23)」(引用終わり)
 
私はフランスで学生に戻っていた時、借金をしていたのですが、社会人に戻って借金返済をしていた際、将来のことを考える余裕が一切なく、「とにかく借金を返さなければ」と必死だったことを思い出します。
 
その時のことを思い出しながら本書を読み、「古代ローマも今もあまり変わっていないなぁ」と感じました。
 

また、「国富論」で有名なアダム・スミスが、もう一つの代表作である「道徳感情論」で以下のようなことを言っています。

 

「幸福とは、健康で借金がなく、心にやましいことがない状態を指す。」

 
ヨーロッパでは「国富論」よりも「道徳感情論」を読んでいる人の方が多く、アダム・スミスの話題になると、「ああ、道徳感情論にそう書いていたね」と盛り上がったことを覚えています。
 
現状にチャレンジを抱えている方に、「道徳感情論」はお勧めです。
 
国境や時代を超えて、読み継がれているものには理由があると感じる一冊で、お読みになられた方は是非、アダム・スミスについて語り合いましょう :-)。
 
道徳感情論 (講談社学術文庫)

道徳感情論 (講談社学術文庫)

 
PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 5 "Journey to Pursue Goals"】
 

Last week, one Japanese financial institution was grilled due to inappropriate sales and we saw and heard the word “Profit Goal” in newspapers and TV.

 

When I was working at a financial institution as a sales representative, I was also chased by a word called “budget”.

 

The material to be introduced today, “Irresistible: The Rise of Addictive Technology and the Business of Keeping Us Hooked” analysis the tendency of modern people who rely on SNS and games, and the following phrases for pursuit of goals were impressive.

 

"The goal in the modern world is not the end of the process. The journey to follow the goal never ends.

 

And often, the more you achieve your goals, the less pleasure you will achieve.

 

You can find as much evidence that the target culture is expanding.

 

For example, although the number of times the word "goal pursuit" appeared in a book written in English was almost zero before 1950, but it exploded after 1950." (Unquote)

 

When I was a sales representative at bank, I used to visit customers every day thinking that “this goal must be impossible”.

 

According to this book, modern people tend to pursue goals on their own, and they can live even if they do not achieve the goal, they are obssessed with goal for good.

 

Let's function PDCA today!   

Irresistible: The Rise of Addictive Technology and the Business of Keeping Us Hooked (English Edition)

Irresistible: The Rise of Addictive Technology and the Business of Keeping Us Hooked (English Edition)

 

 

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