PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 509「救助が来るまでじっと待つ」/ "Wait until the rescue comes"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 509「救助が来るまでじっと待つ」
 

 

日露戦争が始まる2年前の1902年1月、雪山でのロシアとの戦闘を見越して、旧日本陸軍は有名な訓練である「八甲田山雪中行軍」を実施しました。

 

2つの部隊が八甲田山雪中行軍に参加しましたが、きちんと準備をした部隊(弘前31連隊)と準備不足の部隊(青森第5連隊)で明暗が分かれたことで知られています。

 

八甲田山雪中行軍」は、ビジネススクールの組織マネジメント・ケースにもなっています。

 

八甲田山雪中行軍でどのようなことが起こったかについては、「指揮官の決断―八甲田山死の雪中行軍に学ぶリーダーシップ」などの書籍でも詳細が説明されていますので、興味のある方は目を通してみるとよいでしょう。

 

 

今回紹介する資料「ドキュメント生還-山岳遭難からの救出は、「山で遭難したとき、どうすれば生還できるのかを解説しており、「八つのケースの教訓より」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

本書で取り上げたケースはみな、結果的には救助が来るまでじっと待っていて助け出されている。

 

だが、実はほとんどの登山者が、救助を待つ態勢に入る前に、自力でトラブルを解決しようと悪戦苦闘している。

 

この、山中を彷徨った数日間を指して、『冷静さを欠いていた』『焦っていた』『取り乱していた』と、みな異口同音に振り返っている。

 

遭難という状況に遭遇してもなお冷静さを保ち続けるのは、かなり難しいことなのだ。

 

というよりも、自分が遭難したという事実を認めたくないから、慌てふためていてなんとか自力で下山しようとするのだろう。」(引用終わり)

 

そう言えば、先月(2020年11月)香川県旅客船が漂流物に衝突し、浸水した事件で小学生ら62人全員が救助されたニュースがありました。

 

 

小学生らは岸に泳ごうとはせず、浮きにつかまって海の中でじっとしながら救助を待っていたことで、全員が無事だったとも報じられています。

 

今回紹介した資料「ドキュメント生還-山岳遭難からの救出」では、雪山で遭難したら「救助が来るまでじっと待つ」ことを勧めていますが、これは海中事故にも当てはまるということですね。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)

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P.S. 私がビジネス・スクールに通っていた頃に読んだ「八甲田山雪中行軍」のケースで印象的だったのは、生き残った部隊である弘前31連隊が夜中に眠らないために行った集団行動でした。

 

雪山で眠ってしまうと、凍死するリスクがあることはよく知られています。

 

弘前31連隊は雪山に穴を掘り、そこで雪を防ぎながら眠らないよう、メンバーが肩を組んで足踏みをして、軍歌を歌いながら一晩中過ごしたそうです。

 

誰かが眠りそうになると膝が落ちるため、その人を周りのメンバーが立ち上がらせ、お互いを励ましあって夜が明けるのを待ったのです。

 

リーダーシップの観点からも八甲田山雪中行軍」は非常に参考になるため、経営者や管理職の方々は「指揮官の決断―八甲田山死の雪中行軍に学ぶリーダーシップ」を読んでみてください。

 

八甲田山雪中行軍」は映画にもなっており、高倉健の名演技が光りますが、結構長かったです😊。

 

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1902年に実行された八甲田山雪中行軍では、青森第5連隊の210人中199人が犠牲になり、世界最大級の山岳遭難事故になりました。

 

同じことを繰り返さないために、1965年から青森駐屯の陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊が、八甲田山系での冬季雪中戦技演習を毎年行っています。

 

八甲田山雪中行軍では、事前準備をきちんと行い、案内人をおいて行軍した弘前第31連隊(38人)は、全員が無事帰還を果たしています。

 

一方の青森第5連隊は210人という大部隊であり、遭難時は指揮命令系統がバラバラになって、大混乱に陥ったことが確認されています。

 

生き残った弘前第31連隊と、壊滅した青森第5連隊の違いを突き詰めると、指揮官のリーダーシップの有無だったように感じています。

 

弘前第31連隊の指揮官は、部下に対して「凍傷を避けるため、冬山では汗をかかないように配慮すること」を指示していました。

 

一方の青森第5連隊の指揮官は、将兵の十分な休息を計画しておらず、雪山で眠ってしまい、凍死者が続出する事態を招きました。

 

八甲田山雪中行軍に限らず、現代のビジネスにおいても、リーダーの準備意識が重要であると私は感じています。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「救助」 = 「rescue」>

 

今回出てきた「救助」の英訳は、「rescue」になります。

 

「救助が来るまでじっと待つ」を英語で表現する場合、「Wait until the rescue comes」とすればよいですね😊。 

 

ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)

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PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 509 "Wait until the rescue comes"
 

The material to be introduced "Document Survival-Rescue from Mountain Distress (Japanese only)" explains "How can you survive if you suffer in the mountains" and the following phrases were impressive in the part "From lessons of 8 cases".

 

"All of the cases discussed in this book have been rescued waiting for the result.

 

However, in fact, most climbers struggle to solve their own problems before they are ready to rescue.

 

Pointing to these days of wandering in the mountains, they all looked back on the same words, 'I was lacking in calmness', 'I was impatient' and 'I was upset'.

 

It is quite difficult to stay calm in the face of distress.

 

Rather, they don't want to acknowledge the fact that they have encountered, so they were in a hurry and managed to descent on their own." (Unquote)

 

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