今年の前半に長めの休暇があったため、ロシア文学を改めて読み返していました。
トルストイの「戦争と平和」は、何度読んでも色あせない名作です。
「戦争と平和」の主要登場人物として、ナポレオンとクトゥーゾフが知られています。
ナポレオンは言わずと知れたフランスの皇帝であり、戦場を事前に細かくチェックし、地形等も確認した上で作戦計画を準備し、実際の戦闘になると自ら前線を駆け回って兵士たちに詳細な命令を与える指揮官として描かれています。
一方、ロシア軍の総司令官だったクトゥーゾフは、ナポレオン軍がロシアに侵攻後、「モスクワ明け渡し」という有名な作戦を実行し、最終的に勝利を収めた大将です。
クトゥーゾフはナポレオンとは正反対のリーダーで、戦場に赴くこと等はせず、それどころか会議中に居眠りをするような人で、「動かない大将」と陰口を叩かれることもあったそうです。
ただ、戦争全体の大局を見極めていたのはクトゥーゾフであり、「モスクワを放棄してもロシアを失ったことにはならない」という有名なセリフを残して、モスクワからの退却を決定します。
ロシアに入ったナポレオンは冬将軍に苦しめられ、モスクワから撤退を始めた際、クトゥーゾフは「決してロシア国境を越えてフランス軍を追わないよう」全軍に指示を出しており、結果的に全ての判断が正しかったと「戦争と平和」の中で説明されています。
ナポレオンがロシアで失敗した背景に、「細かく決めすぎた」ことがあります。
「現実の戦闘は、指揮官の命令とは無関係に、刻々と変化する状況に瞬間ごとに反応する兵士たちの行動によって進行する」ためであり、「ナポレオンによって作られた『天才的な』作戦指令は、一つとして実行されなかった。そもそも、実行されるはずがなかった」とトルストイは述べています。
今回紹介する資料「これならわかる「カラマーゾフの兄弟」」は、ドストエフスキーの半生を紹介しながら、大著「カラマーゾフの兄弟」を解説しています。
毎日文章を書いている作家(?)の私にとっては、「長編を可能にした執筆スタイル」部分の以下フレーズが印象的でした。
「(ドストエフスキーは)45歳で『罪と罰』の新聞連載を開始。
このときやり手の悪徳出版社とかかわり、『1年以内に長編小説を書かなければ既刊と今後出版する本の全印税を譲渡する』という契約を交わし、お金を借りてしまいます。
ドストエフスキーは、海外で覚えたルーレット賭博にはまっていたのです。
ただし、『罪と罰』の連載もあるので執筆の時間がない。
長編小説の締め切りは2週間後に迫っている。
その中で題材は博打しかないということで構想を練り、速記者に文字起こしをさせる口述執筆の手法を使います。
締め切りギリギリで見事に『賭博者』を仕上げ、一生奴隷のように働くという最悪の事態を免れました。」(引用終わり)
「罪と罰」は借金がテーマですが、ドストエフスキーが多重債務者であったため、生々しい内容展開が可能だったわけですね。
ビジネスでは実務経験が重視されますが、ドストエフスキーにとってはチャレンジングな借金取りとの経験が、「罪と罰」という作品に活用されたことになります。
「今は大変でも、後になると役に立つことがあるかもしれない」とドストエフスキーの半生を読みながら色々と考えました。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
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< Mr. PDCAのボンジュール英語「速記術」 = 「shorthand」>
今回出てきた「速記術」の英訳は、「shorthand」になります。
「ドストエフスキーの速記術」を英語で表現する場合、「Dostoyevsky's shorthand」とすればよいですね😊。
The material introduced this time, "Introduction to the Brothers Karamazov" explains the great book "The Brothers Karamazov.''
As a writer who posts every day, the following phrases in this book were impressive to me.
"Dostoyevsky began serializing 'Crime and Punishment' in newspapers at the age of 45.
At this time, he became involved with an unscrupulous publishing company and borrowed money, making a contract that stated that if he did not write a full-length novel within a year, he would transfer all royalties to his published and future books.
Dostoyevsky was addicted to roulette gambling, which he learned while abroad.
However, since he was also serializing "Crime and Punishment,'' he didn't have time to write.
The deadline for his novel is in two weeks.
Since the only subject matter was gambling, I came up with a plan and used the method of dictating it by having a stenographer transcribe it.
He successfully completed 'The Gambler' on the last minute and was spared the worst possible situation: a lifetime of working like a slave." (Unquote)
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