PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 1,698「給与公開と割れ窓理論」/ "Salary Disclosure & Broken Window Theory"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 1,698「給与公開と割れ窓理論」】
 
企業によっては、幹部社員の給与が公開されていることがあります。
 
私がコンサルタントとしてお世話になった会社でも、幹部社員の給与を公開しているところがあって結構驚いたものです。
 

給与公開が組織にどのような影響を与えるかを研究した結果が行動経済学で発表されており、今回はその内容をご紹介したいと思います。

 

本日資料する資料「今日から使える行動経済学」は、「心とお金の関係を解き明かす」をキャッチフレーズにしており、行動経済学のエッセンスを解説しています。

 

本書の「同僚の給料を知るとやる気も生産性も下がる」部分で、「給与情報を知らせる実験」が説明されており、ある組織の職員の半数に給与情報を公開し、他の半数には非公開にして、仕事に対する満足度や生産性の比較が行われました。

 

結果として、「同僚の給与情報を見た人の方が満足度は低く、その後、離職しやすい」ことが確認されました。

 

給与を公開することは、行動経済学の観点からすると、同僚のやる気と生産性を下げており、組織全体のためにならないことが分かります。

 

 本日資料する資料「今日から使える行動経済学」は、人間の心理をビジネスと行動経済学の観点から分析しており、全てのビジネスパーソンにとって参考になる情報が盛り込まれています :-)。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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今日から使える行動経済学 (スッキリわかる!)

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  • 作者: 山根承子,黒川博文,佐々木周作,高阪勇毅
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  • 発売日: 2019/03/13
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P.S. 本日資料する資料「今日から使える行動経済学」は、「『多くの人もやっている』で良い方向に行動が変わる」部分で、以下のように説明しています。

 

「私たちは、他人がどう行動しているかをとても気にする傾向をもっています。

 

自分以外の多くの人たちがある特定の行動を取っていると、そのように行動することが一種の規範のように感じます。

 

そして、同じように自分も振る舞わないと、守るべき規範を守れていないかのような居心地の悪さを感じてしまうのです。」(引用終わり)

 

私は時々、図書館通いの帰りに明治神宮を散歩することがあります。

 

明治神宮の参道にはゴミが落ちていないこともあって、精神を集中させる上で、とても良い散歩道だと思っています(平日の午前中が空いていて良いですね😊)。

 

明治神宮の場合、ゴミが落ちていないため、ゴミを捨てると「自分が捨てたゴミ」とはっきり分かります。

 

そのため、有名な「割れ窓理論」とは逆のポジティブな状態(「綺麗な窓理論」?)にあると言えるようです。

 

割れ窓理論は、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した環境犯罪学上の理論であり、軽微な犯罪を徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるという説です。

 

「建物の窓が壊れているのをそのままにしておくと、誰も注意を払わなくなり、しばらくすると他の窓も全て壊される」という考え方が割れ窓理論です。

 

ジュリアーニニューヨーク市長が、割れ窓理論を行政運営に活用して、マンハッタンの治安を向上させたことで有名です(私も、ニューヨーク駐在中の2000年代前半に恩恵を受けました😊)。

 

ビジネス界で割れ窓理論を活用しているのが、東京ディズニーランド(以下、「TDL」)です。

 

TDL園内の道の汚れやベンチの些細な傷等を夜間に徹底的に清掃、修繕することによって、従業員だけではなく、顧客マナーの向上に成功しています。

 

治安が良くなったマンハッタンや道までピカピカのTDLを歩いていると、ルール逸脱やマナー違反を防ぐことによって、重大なコンプライアンス違反や事故の防止に繋がるのだと感じます。

 

そう言えば、私が銀行員になりたての時(かれこれ20年前か、遠い目👀)、当時のマネージャーから法人融資をする際は「必ずその会社のオフィスに行って、以下の点をチェックして来い」と言われたのを思い出しました(今はどうか知らないけれど😊)。

 

<融資を行う先のチェック事項(2000年当時)>

1. 従業員が挨拶をしているか
2. トイレを含めて、オフィスの掃除が行き届いているか
3. 晴れの日に傘立てに傘が置いていないか
4. オフィスの時計の時刻が正しいか(5分以上ずれていたら要注意)

 

<Mr. PDCAのボンジュール英語「犯罪学」=「criminology」>

 

今回出てきた「犯罪学」は英語で「criminology」となり、日本では余り馴染みがありませんが、アメリカではかなりポピュラーな学問領域で、私がニューヨークで働いていた時も、「大学の専攻が犯罪学だった」という同僚がいました。

 

日本で犯罪学が一般的ではないのは、それだけ治安が良い証拠かもしれません。

 

ただ、犯罪心理学(criminal psychology)の研究は複数の日本の大学で行われており、凶悪犯罪が発生した場合に、メディアに犯罪心理学者が時々登場しています。

 

不思議なことに、日本の大学では文学部に心理学科が置かれているケースが多いです。

 

心理学が哲学から派生した学問であるため、文学部に心理学科が設置されたという背景があるそうですが、最近は心理学部がある大学も出てきています😊。

 

今日から使える行動経済学 (スッキリわかる!)

今日から使える行動経済学 (スッキリわかる!)

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 1,698 "Salary Disclosure & Broken Window Theory"】

 

In some organizations, salary information of executives are disclosed, and there are similar cases in companies that have been taken care of as consultants.

 

However, this act is causing organizational challenges according to the research of behavioral economics.

 

The material to be introduced today, "Behavioral Economics (Japanese only)" has a catchphrase of "Unraveling the relationship between mind and money", and introduces interesting research results while explaining the essence of behavioral economics as follows.

 

"We tend to be very concerned about how others are acting.

 

If many other people are taking certain actions, it would be considered as a kind of norm and you will be acting as other do." (Unquote)

 

This book analyzes human psychology from the viewpoint of business and behavioral economics, and it contains information that is useful for all business persons😊.

 

Let's function PDCA today!   

 

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P.S. If you go to the Japanese shrine, the park is cleaned well, because the place itself is sacred and the owner wants visitors to keep the park without garbage.

 

Shrines might be utilizing the famous theory called "Broken Window Theory" introduced by social scientist George L. Kelling.

 

According to this theory, if one window in the building is broken and neglected for a while, every window will be destroyed eventually.

 

Broken Window Theory became popular, because Rudolph Giuliani, The former mayor of New York City, implemented strict security measures including minor criminals and improved Manhattan security in accordance with this theory.

 

Tokyo Disneyland is also known as it utilizes Broken Window Theory, because this amusement facility has been thoroughly cleaning dirt on the road and repairing minor scratches on benches in the park at night so as to improve manners not only employees but also customers.

 

By complying every rules and manners in the whole organization, we will be able to prevent serious compliance issues and critical incidents, I suppose😊.

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