今回のコロナ騒動で、1918年に大流行したスペイン風邪に関する研究が改めて行われています。
日本のクラスター対策や3密回避などのコロナ対応は、100年以上前のスペイン風邪対策を参考にしていると言われています。
今回紹介する資料「人類対新型ウイルス 私たちはこうしてコロナに勝つ」は人類が感染症とどのように戦ってきたかについて解説しており、「歴史的免疫」部分の以下フレーズが印象的でした。
「新たなウイルスが現れると、人間にしろ他の動物にしろ壊滅的な打撃を受ける。
だが被害を受けた動物の個体群は、世代交代を繰り返すうちに次第にそのウイルスに慣れ、同時にウイルス自信もその毒性を弱めていくようなのだ。
だからこそヨーロッパの人々は、天然痘がヨーロッパの風土病としてたびたび流行していた時にも生き延びることができた。
定期的に襲来する天然痘に対し、世代から世代へと免疫力を高めていったため、徐々に死亡率が低くなっていったからだ。
大航海時代、アメリカ大陸の先住民たちは天然痘を経験したことがなかった。
そのため、16～17世紀にスペイン人やイギリス人が天然痘をばらまくと、先住民の90%が死亡した。
しかし、天然痘に対する歴史的免疫を持っているヨーロッパ人の間では、致死率は20%程度だった。
例えば1509年、砂糖きび農園を作るためにスペイン人がイスパニョーラ島に植民しようとした時、全く歴史的免疫のない先住民社会に天然痘を持ち込んだ。
すると1518年までに、推計250万人いた原住民がことごとく天然痘で死んでしまった。
だからスペイン人は、アメリカにアフリカ人奴隷を連れてきたのだ。」（引用終わり）
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう！
PDCA日記が更新されたら通知が欲しいという方がいましたので、そのような場合は Twitter をご利用ください :-)。https://twitter.com/MPdca
P.S. 現在アメリカで渦巻いている人種差別の問題を突き詰めると、大航海時代の天然痘があることを「人類対新型ウイルス 私たちはこうしてコロナに勝つ」は説明しています。
また、中南米でキリスト教のカトリックがあれだけ普及した背景には、支配者であったスペイン人が感染症に強かったことが挙げられます。
大航海時代以降、中南米の先住民は感染症でバタバタと倒れていきましたが、免疫のあるスペイン人を見て現地の人達は、「カトリックを信じているからスペイン人は感染症に強い」と信じ込んだとされています。
産児制限を否定するカトリックによって、中南米の貧困が加速しているという指摘がありますが、感染症の歴史が影響していたのですね。
今回紹介する資料「人類対新型ウイルス 私たちはこうしてコロナに勝つ」は、感染症と宗教と関係についても詳しく分析しています。
感染症の正体を人類が知ったのは、電子顕微鏡が発明された1930年代のことであり、まだ100年も経過していなかったりします。
感染症の歴史は医学の歴史でもあるため、今回紹介する資料「人類対新型ウイルス 私たちはこうしてコロナに勝つ」は医療業界の人にもお勧めの一冊ですね :-)。
＜Mr. PDCAのボンジュール英語「大航海時代」=「Age of Discovery」＞
今回出てきた「大航海時代」の英訳は、「Age of Discovery」になります。
「スペインが大航海時代を制した理由」を英語にする場合、「Why Spain won the Age of Discovery」とすればよいですね :-)。
【PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 355 "Why Spain won the Age of Discovery"】
The material introduced today "A Social History of Influenza" explains how humans have been fighting infectious diseases, and the following phrases in the "historical immunity" part were impressive.
"When a new virus emerges, it will be devastating to humans and other animals.
However, it seems that the population of the damaged animals gradually becomes accustomed to the virus over the course of generational changes, and at the same time, the virus self-confidence weakens its toxicity.
That is why Europeans were able to survive when smallpox was a frequent endemic disease in Europe.
The reason for this is that the mortality rate gradually decreased due to the increased immunity from generation to generation against the smallpox that regularly attacks.
During the Age of Discovery, Native Americans had never experienced smallpox.
As a result, when Spanish and British spread smallpox in the 16th and 17th centuries, 90% of the indigenous people died.
However, among Europeans who have historical immunity to smallpox, the mortality rate was around 20%.
For example, in 1509, when a Spaniard attempted to colonize Hispaniola Island to build a sugar cane plantation, they brought smallpox into an indigenous society with no historical immunity.
By 1518, an estimated 2.5 million Natives had all died of smallpox.
So the Spanish brought African slaves to America." (Unquote)
Let's function PDCA today!
In case you would like to receive a notice at the time of PDCA Diary post, please utilize Twitter :-). https://twitter.com/MPdca
