PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 390「なぜ君は総理大臣になれないのか?」/ "Is the government the root of the problem?"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 390「なぜ君は総理大臣になれないのか?」】

 

昨今の日本では、政府批判がメディアで流行していますが、これは結構恵まれていることです。

 

国や地域によっては、政府批判をするだけで警察が家にやってくるところもあります。

 

そのため、言論の自由がある社会に生活している我々は非常に幸運と言えるでしょう :-)。

 

先日、「なぜ君は総理大臣になれないのか」という映画を観ました。

 

http://www.nazekimi.com/

 

イデオロギー的な部分は別として、ドキュメンタリー映画として「なぜ君は総理大臣になれないのか」は中々興味深い作品でした。

 

日本の場合、議院内閣制を採用しているため、衆議院で多数を支配した政党の代表が内閣総理大臣に選ばれることが一般的です(1993年~1996年を除く)。

 

役所や企業でどれだけ経験を積んでも、国会議員に当選すれば「1年生」として扱われます。

 

世襲で国会議員になる人は20代で政界に入るケースが多いため、日本の政界の慣習では、親や家族が政治家をやっていた人の方が、首相や大臣になりやすい仕組みになっているのです。

 

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で、この辺りの問題も議論されていますので、政治に興味がある人や政治家になりたい方は鑑賞すると良いでしょう。

 

また、政治資金団体の場合、相続税贈与税が一切かからず、基本的に非課税になっています。

 

政治家にとって重要な「カンバン(資産)」に税金がかからないため、日本の政界では世襲を行うことが、経済的な観点から大きなインセンティブになっていると言えます。

 

アメリカの場合、政治経験のないトランプ大統領のような人が登場しますが、これは国家元首を直接選択する共和制であるから実現したと言えます。

 

伝統的な大企業もびっくりの年功序列制度を採用している日本の国会の現状を打破するため、首相公選制を主張する人もいます。

 

私は、首相公選制に基本的に反対の立場です。

 

日本と同じ議院内閣制を採用しているイスラエルで、首相公選制を行っていた時期がありましたが、結局取りやめになりました。

 

イスラエルが首相公選制を廃止した背景には、有権者の複雑な投票行動がありました。

 

首相公選制を採用していた1996年から2001年までのイスラエルでは、政党Aに所属する首相が選ばれる一方、政党Bが議会で第一党になるという形でねじれが発生したのです。

 

また、イスラエルでは一つの政党が議会の過半数を占めることが難しい選挙制度になっているため、現在もそうですが、複数の政党で連立政権を構成することが一般的です。

 

首相公選制時代のイスラエルでは、首相が政党Aに所属し、議会第一党は政党B、議会第二党は政党Cとなり、B党とC党が協力して議会の過半を占め、首相が所属するA党と別に連携するなど、極めて複雑な状況になってしまいました。

 

日本は二院制であるため、首相公選制にしてしまうとイスラエルよりも更に複雑になる可能性があります。

 

例えばですが、首相は政党Dに所属し、衆議院は政党Eが支配して、参議院は政党Fが多数を占めると言う「ねじねじ国会」が発生するかもしれません。

 

今回紹介する資料「アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか」で印象深いのは、「レーガン政権の税政改革1: 保守的な立場表明」部分です。

 

トランプ大統領が「尊敬してやまない」と言われるレーガン元大統領は、1981年1月20日の就任演説で以下の有名な言葉を残しています。

 

「今日の危機にあって政府は解決策ではない。むしろ問題の根源だ。」(レーガン元大統領コメント終わり)

 

レーガン元大統領は、その後「レーガノミクス」と呼ばれる大規模減税政策を実施し、歴史に残る大統領の1人として認識されています。

 

特に、共和党においては神格化されており、トランプ大統領の演説でもレーガン元大統領を「偉大な大統領」と持ち上げる場面が多いですね。

 

今回紹介する資料「アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか」は、アメリカの歴史的な政策について定量分析を行っている貴重な一冊です。

 

まもなくアメリカで大統領選挙がありますが、本書に目を通しておくと2020年11月の選挙戦を見る目が変わるかもしれませんね :-)。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 過去のPDCA日記でも紹介しましたが、大統領制を採用しているアメリカでは国家元首の所属政党と議会の過半数を握る政党が違うことがあります。

 

日本におけるねじれ国会のようなものですが、アメリカの場合は二大政党制のため共和党民主党のせめぎあいになります。

 

アメリカにおいて、共和党民主党のどちらかが大統領、上院、下院の3つをコントロールしていることの方が珍しいため、二つの政党はコミュニケーションを取る必要が出てきます。

 

日本の地方自治体は大統領制に近い制度になっているため、知事、市区町村長と議会はお互いに牽制することになります。

 

企業においても牽制はキーワードであり、特定の人間や部門が暴走しないための制度設計は重要になりますね :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「根源」 = 「root

 

今回出てきた「根源」の英訳は、「root」になります。

 

「政府は問題の根源?」を英語で表現する場合、「Is the government the root of the problem?」とすればよいですね :-)。 

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 390 "Is the government the root of the problem?"

 

In the material introduced today "What can the US President do in a polarized parliament? (Japanese only)", former President Reagan, who is said to be honored by President Trump, left famous words in his inaugural address on January 20, 1981.

 

"The government is not the solution in today's crisis. It is the root of the problem."

 

Reagan was later recognized as one of the historic US Presidents by implementing a large tax cut called Reaganomics.

 

In particular, the Republicans are even deified, and Trump's speech often raises Reagan as a great President.

 

This book is a valuable material on quantitative analysis of US historic policies.

 

Let's function PDCA today!   

 

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