PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 453「転勤したい人はいない?」/ "Nobody wants to transfer?"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 453「転勤したい人はいない?」】
 
2020年5月、東京都の総人口がはじめて1,400万人を突破しました。
 
ただ、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、東京都の人口は減少に転じ、2020年8月の減少幅が大きくなったことが、不動産業界で話題になっています。
 
ただ、東京から転出した人の多くは、神奈川、千葉、埼玉という東京の隣接県に移っていることが確認されています。
 
東京都内のオフィスに通勤する必要がなくなった人達の内、神奈川、千葉、埼玉の郊外に移り住み、テレワークを行ったり、週に1回都内に通勤するライフスタイルを取る人が増えたのかもしれません。
 
私は時々、品川駅周辺を通ることがあるのですが、通勤ラッシュの午前9時前や午後6時過ぎは、従来の人通りが戻りつつあるように感じています。
 
それでも、「長い通勤時間」や「オフィス勤務」などの伝統的な働き方は、修正が行われているのでしょう。
 
実は、「通勤時間」や「オフィス勤務」に加えて、日本では「転勤」も減ってきています。

 

日本企業における独特の商慣習とも言える「単身赴任」を廃止したカルビーなどの企業も登場しており、働き手にとって色々な選択肢が出てきていることは、ポジティブにとらえるべきでしょう。

 

 

一部の日本企業において、望まない転勤や単身赴任を命じられた会社員は、労働組合に駆け込むケースがありました。

 

それでも、埒(らち)があかない時は、裁判所まで判断がもつれ込むようです。

 

私は銀行員時代、労働組合がない組織に所属していました。

 

そのため、労働組合が何をやっているか分からず、過去のPDCA日記で紹介した「沈まぬ太陽」という映画で観たくらいの知識しかありません。

 

沈まぬ太陽

沈まぬ太陽

  • 発売日: 2020/03/01
  • メディア: Prime Video
 

 

今回紹介する「企業内の労使関係」は、労働組合の役割を知る上で役に立つ資料になっています。

 

本書で印象深いのは、「家庭の事情で転勤したくない」部分でした。

 

今回紹介する「企業内の労使関係」に登場する東京勤務の会社員Cさんに対して、会社側から静岡異動の内示が出た際、Cさんは東京でマンションを購入した直後でした。

 

Cさんは、子供が中学校に入学した直後であることを理由に、「転勤はいやだ」と労働組合に駆け込んだケースについて、本書は解説しています。

 

上記のケースでは、「会社の権利濫用に相当しない公算が濃厚である」と、今回紹介する「企業内の労使関係」は述べています。

 

Cさんが働いている会社の就業規則に、「転勤を命ずることがある」との記載があったことから、「Cさんの言い分は通らない可能性が高い」と本書は結論づけています。

 

人事関係の仕事をしている方に、今回紹介する「企業内の労使関係」はおすすめの一冊です。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 過去のPDCA日記で著書を紹介している出口治明氏によると、欧米企業で転勤があるのは「エキスパット」と呼ばれる経営幹部と希望者だけであるそうです。

 

また、日本企業で転勤が一般的になっている背景には、「終身雇用がある」とも出口氏は指摘しています。

 

出口氏の書籍は、色々な意味でビジネスパーソンの役に立ちますので、過去のPDCA日記で紹介した本を是非読んでみてください :-)。 

 

 

終身雇用を盾に、多くの日本企業では、会社側が従業員に対して転勤を命じることができます。

 

ある場所にいる余剰人員を、人手不足の別の拠点に移動させることは、雇用を安定させるための一環であり、転勤や単身赴任については、日本企業の労働組合も納得していると出口氏は解説しています。

 

これを聞いて「なるほどなぁ」と感心したものですが、私は労働組合というものが未だにどういうものか知りません。

 

組織によっては、労働組合を経由することがエリート街道になっている会社もあるようです。

 

ただ、私が今後そのようなところで働くことは永久になさそうですし、働きたくもありませんね :-)。

 

日本の場合、企業ごとに労働組合が組織されていますが、国によっては業界別に労働組合を持っているところもあります。

 

韓国は、「労働組合の権限が強い」というイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、この背景には業界別労働組合の存在があります。

 

金泳三政権時代(1993~1998)、韓国では裁量労働制を導入し、整理解雇を認める労働法改正が議論されていました。

 

これに対応する形で、韓国では1995年に全国民主労働組合総連盟(以下、「民主労総」)が誕生し、企業別労働組合から業界別労働組合への転換を図ってきました。

 

民主労総はゼネラル・ストライキ(以下、「ゼネスト」)を行って、労働法改正案を撤回させることに成功します。

 

しかしながら、金泳三政権は労働法改正を再度持ち出し、その後、医療や金融、運輸などの業界でも、業界別労働組合が組成されるようになります。

 

日本でゼネストはほとんど起こりませんが、労働組合が業界別ではなく、企業別に組織されていることが、背景の一つにあるようです。

 

ゼネストと言えば、フランスを思い浮かべる人がいると思います。

 

私が以前暮らしていたフランスでは、政府が年金改革法案などを成立させようとすると、ゼネストが起こり、全国の公共交通機関が停止したりします。

 

フランス人はゼネストに慣れているようで、「労働者の当然の権利」という建前にはなっているものの、多くの人は「またか、でもしょうがない」という受け止めをしています。

 

フランスのゼネストは中々政治的な効果があるようで、1995年に政府が議論していた年金改革法案に反対するストライキが11月末から年末まで続き、結局、この法案は葬り去られました。

 

日本でも時々ストライキをやっていますが、政治的な効果はあまりなさそうですね。

 

私はストライキに行くよりも、選挙に行く方が大切だと思っています :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「単身赴任」=「unaccompanied posting」>

  

今回出てきた「単身赴任」の英訳は、「unaccompanied posting」になります。

 

「単身赴任が減少している」を英語にする場合、「The number of unaccompanied postings is decreasing」とすればよいですね :-)。

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 453 "Nobody wants to transfer?"】

 

The material introduced today "Labor-management relations within a company (Japanese only)" must be useful for understanding the role of the labor union in Japan.

 

What impressed me in this book was the part that how corporate employees reject transfer orders due to family reasons in Japan.

 

With lifetime employment as a shield, in many Japanese companies, employees can be ordered transfer from one base to another.

 

Transferring surplus personnel in one place to another base with a shortage of labor is a part of stabilizing employment in Japanese companies.

 

The labor union of Japanese companies is convinced about transfer and single transfer according to the book "Labor-management relations within a company".

 

When I heard this, I could understand the principle, but I still don't know what a labor union is really like.

 

In some traditional Japanese organizations, working in the labor union seems the fast track for capable employees.

 

However, it seems that I will never work in such a place in the future, and I don't want to be there :-).


For those who work in the HR field, the material introduced today "Labor-management relations within a company" is a recommended book.

 

Let's function PDCA today!   

 

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