PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 472「1万4,200 対 480」/ "14,200 vs. 480"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 472「1万4,200 対 480」】

 

日本では2019年に約1万4,200人が臓器移植を希望していましたが、実際に移植できた人は480人でした。

 

 

最近は、健康保険証や運転免許証、マイナンバーカードに、臓器移植の意思表示欄が設けられています。

 

しかしながら、実際に身分証明書上に臓器移植の意思表示を記載している人は少数だったりします。

 

このことも、日本において臓器移植が進まないことの背景にあるのでしょう。

 

また、医学の観点からは、「脳死は人の死」という見解が出ていますが、仏教の宗派によっては、「脳死者を死者であるとは認めがたい」という意見を出しているところもあります。

 


日本の場合、キリストの誕生日であるクリスマスを祝いながら、冠婚葬祭は仏教風という手法を取る人も多く、宗教に対して寛容な社会であると考えられています。

 

これは、社会秩序維持の観点から利点が多いと私は考えています。

 

先月(2020年10月)、フランス・パリ郊外で、イスラム教の預言者であるムハンマドの風刺画を授業中に生徒に見せた教師が殺害されました。

 

 

2015年1月にも、フランス・パリの風刺新聞「シャルリー・エブド」本社に過激派テロリストが襲撃し、関係者や警察官など合計12人が殺害される事件が起こりました。

 

この時も、「シャルリー・エブド」が紙面でムハンマドの風刺画を掲載したことが、襲撃の発端だったと考えられています。

 

私自身、フランスで生活してみて、イスラム教徒の数が非常に多いと感じました。

 

フランスの総人口およそ6,500万人のうち、9%弱に相当する約570万人がイスラム教徒であると言われています。

 

偶像崇拝が禁じられているイスラム教を信じているイスラム教徒にとって、預言者ムハンマドは絵にすることすら許されない神聖な存在であると考えられています。

 

ムハンマドを風刺画にすることは、イスラム教徒にとって大変な侮辱であり、この辺りの感覚の違いがフランスのキリスト教徒と異なっていると思われます。

 

フランスの場合、「ライシテ」と呼ばれる政教分離の原則が徹底されており、公共の場における宗教的儀式が禁止されています。

 

一番有名なのが、女性のイスラム教徒が利用するブルカ(ヒジャブ)の禁止でしょう。

 

ブルカは、イスラム世界で広く利用されている女性用ヴェールの一つです。

 

日本の都市部でも、ブルカを着用しているイスラム教徒の女性を見かけることがあり、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

1989年にブルカを着用し、フランスの公立学校に登校したイスラム教徒の女子学生が退学処分を受けたことについて、国を揺るがす大激論が起こりました。

 

その後、2004年にフランスで「ブルカ禁止法」が成立し、公立学校で宗教的衣装や標章の着用が禁止されるようになりました。

この辺りは賛否両論あると思いますが、現在のフランス大統領であるマクロンが、「ムハンマドの風刺画を描くことは表現の自由である」と発言しました。

 

これに対して、イスラム教徒が多いトルコのエルドアン大統領が反発し、フランス製品の不買運動を呼びかけるなど、国際問題に発展しています。

 

話を宗教から、臓器移植に戻します。

 

今回紹介する「ギフト±」は、犯罪者などの生きる価値がないと見なされた悪人の臓器を、移植のために利用する世界を描いた衝撃作です。

 

ギフト±」に登場する主人公の鈴原環(すずはらたまき)は、一世を風靡した伝説漫画である「DEATH NOTE」の夜神月(やがみらいと)に近い思想を持っています。

 

ギフト±」では、「悪人に人権はなく、臓器を移植することで人の役に立つ」というセリフも登場しています。

 

DEATH NOTE デスノート

DEATH NOTE デスノート

  • 発売日: 2015/03/14
  • メディア: Prime Video
 

 

今回紹介する「ギフト±」は、ストーリー展開が巧みで、一気に読める漫画になっています。

 

23年前の1997年、臓器移植法の施行により、日本でも脳死が人間の死と認められ、臓器移植が可能になりました。

 

しかしながら、臓器移植は需要が圧倒的に多く、希望者は海外に行かざるを得ない状態が続いています。

 

今回紹介する「ギフト±」は、臓器移植以外の様々な社会問題も描かれています。

 

「例え非合法でも、需要があるから供給がある。それだけの話だ。」(引用終わり)

 

上記フレーズは麻薬取引で語られる内容でもありますが、本書は色々なことを、考えさせられる作品です。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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ギフト± 1

ギフト± 1

 

 

P.S. 主要国と比較して、日本のドナー(臓器提供者)数が著しく少ない背景には、日本人の死生観が影響しているとも言われています。

 

過去のPDCA日記で「安楽死」をテーマに取り上げたことがありますが、死生観は時代と共に変わるものでもあります。

 

新型コロナウイルス騒動で生き方を変える人が出てきていますが、死生観を考える上で、今回紹介する資料「ギフト±」は一読の価値があると思います。

 

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「圧倒的に」=「overwhelmingly」>

  

今回出てきた「圧倒的に」の英訳は、「overwhelmingly」になります。

 

「臓器移植は需要が圧倒的に多く、希望者は海外に行かざるを得ない状態が続いている」を英語にする場合、「Demand for organ transplantation is overwhelmingly high, and applicants continue to have to go abroad」とすればよいですね :-)。 

 

ギフト± 1

ギフト± 1

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 472 "14,200 vs. 480"】

 

In Japan, about 14,200 people request organ transplants every year, but 480 actually implemented the operations.

 

The material introduced today "Gift ±" is a controversial comic that depicts the world where the organs of bad people such as criminals who were considered not worth living are used for transplantation.

 

Let's function PDCA today!   

 

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