【PDCA日記 Vol. 491「贅沢品だったパスタ」】
私は家族がイタリア料理屋を経営していることもあり、パスタが好きで、自分でも時々カルボナーラなどを作っています🍝。
現在では、世界中でごく普通に食べられているパスタですが、中世のイタリアではかなりの贅沢品だったようです。
ルネサンス期(14世紀~16世紀)になると、イタリアの富裕層はパスタをよく食べるようなりました。
ただ、今回紹介する資料「パスタと麵の歴史」によると、「一般大衆は、結婚式やその他お祝い用に(パスタを)大事にとっておいた」そうです。
時代によって価値が変わるものは結構あり、江戸時代のトロはパスタの逆で、「昔は無料だった(捨てられていた)けれども、現在は高級食材になった」ものの例でしょう🐟(☜これは魚 :-)。
江戸時代にマグロは食べられていましたが、当時は脂肪分が少ない赤身が好まれていたようです。
そのため、江戸時代の人々は、脂肪たっぷりのトロは「下魚(げざかな)」として廃棄していたわけですね。
当時の人達が健康志向だったわけではないでしょうが、江戸時代はマグロの赤身が重宝されていたことになります。
実は、トロが日本で食べられるようになったのは、冷凍保存技術が向上した1960年代以降のようです。
つまり、つい60年ほど前までは、傷みやすいトロは捨てられていたことになりますね。
また、動物の内臓肉であるホルモンも、従来の日本では食べられることなく廃棄されていました。
ホルモンの由来は、「放(ほお)るもん」であるという俗説もあるほどで、人間が食べるものという認識はなかったようです。
私はレバーが大好きで、出身地である大阪はホルモンの本場だったりします。
そう言えば、新型コロナウイルス騒動もあって、今年は一度も大阪に帰省していないため、久しぶりに大阪のホルモンを堪能したいものですね🐄(☜これは牛 :-)。
東京でも、ホルモン専門店も登場し始めていますが、私はコリコリした触感のホルモンは苦手だったりします。
レバーをはじめとして、咀嚼が容易なホルモンを提供している東京都内のレストランをご存じの方は、こっそり教えてください :-)。
話を、パスタに戻します🍝(☜これはパスタね :-)。。
現在、イタリアにはパスタ法(1967年7月4日試行)があり、今回紹介する資料「パスタと麵の歴史」によると、「イタリアで販売されるパスタはすべて、デュラム小麦のセモリナ粉100%を原料としなけれならないと定めている」とのことです。
イタリアのパスタが美味しく、品質が高評価になっているのは、上記のような背景もあるのですね。
また、過去のPDCA日記でも紹介しましたが、ヨーロッパの水は硬水です。
硬水は、読んで字のごとく「硬い水」のことです。
私がフランスでプールに行った時、硬水であるせいか泳ぐのが結構チャレンジングだった記憶があります。
また、フランスで髪を洗った場合でも、硬水であるせいかゴワゴワ感が残ったものです。
ただ、パスタをゆでたり、パリっとしたパンを作るためには、ヨーロッパの硬水が向いているようで、イタリアのパスタやフランスのパンが美味しいのは、硬水による影響がありそうですね。
日本の軟水は、米を炊くのに最適です。
また、日本で菓子パンが発達した背景には、柔らかい菓子パンの生地を作るのに、軟水が向いていたことがあるようです。
水の違いによって、食文化が構築されているのは、見ていて面白いですね :-)。
今回紹介する資料「パスタと麵の歴史」は、イタリア料理が好きな人やイタリア好きの方におすすめの一冊です。
それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!
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P.S. 私が週に1回作っているカルボナーラはとても簡単に作ることができ、参考までにレシピを書いておきます。
<材料>
水3L、塩30g、パスタ1人分、卵1個、めんつゆ小さじ1杯、オリーブオイル大さじ1杯、マスタード・胡椒少々、粉チーズ30g
<工程>
①水を沸かし、塩を入れる
②沸騰したら、中火にしてポコポコとなるくらいの火加減にして、パスタを投入
③卵、めんつゆ、オリーブオイル、マスタード、胡椒をどんぶりに入れてかき混ぜ、30秒レンジで温める
④③に粉チーズを入れて、かき混ぜる
⑤④に茹でたパスタを入れて、かき混ぜる(味が薄い場合、小さじ2杯程度の茹で汁を入れる)
⑥胡椒をまぶして、出来上がり
ーーー
私は普段、7分で茹で上がるパスタを使っているのですが、ポットで湯を沸かしてから作業に入るため、全工程は10分以内で終わります。
めんつゆがない場合、納豆のたれでも代用できますし、マスタードの代わりに納豆に付随しているからしを使うこともできます。
是非、試してみてください🍝。
カルボナーラを作り続けていることもあって、最近はカルボナーラにやたらとうるさくなってしまいました。
日本のレストランでカルボナーラを注文すると、生クリームが入った形で調理されることが多いようです。
ただ、本場イタリアでは、カルボナーラに生クリームを使いません。
私も生クリームを使いませんが、これには理由があったりします。
過去のPDCA日記でも紹介しましたが、私は2011年4月にフランスから帰国して以来、冷蔵庫を使わない生活を続けています。
生クリームは冷蔵庫で保管する必要がありますが、私のカルボナーラレシピに登場する材料は、常温保存が可能なものばかりです。
私は10年近く、必要なものを必要な時に必要なだけ調達する「食料カンバン方式」を採用しています。
私の自宅近くに、24時間営業のスーパーマーケットとコンビニエンスストアがあるため、このようなことができるとも言えますが、特に不便は感じていませんね。
冷蔵庫があると、「要らないものを買いすぎてしまう」ことに加えて、「大きなものを買ってしまう」リスクも抱えると感じています。
今回の投稿を読んで、「冷蔵庫を使わない生活なんて考えられない」と思う方がいるかもしれません。
ただ、日本で冷蔵庫が広く普及したのは、1950年代後半以降のことです。
つまり、ほんの60年前までは日本のほとんどの家庭には、冷蔵庫がなかったことになります。
そう考えると、「ずっと冷やしている」冷蔵庫が不自然なもののように感じます(私だけかな?)。
また、冷蔵庫と言えば、私の最初の上司だったKさんを思い出します。
Kさんの口癖は、「イヌイットに冷蔵庫を売ってこそ、優秀な営業である」でした。
イヌイットは寒冷地域に住んでいるため、「冷蔵庫が不要である」という仮説に基づいて、Kさんの口癖は生まれたものです。
「冷蔵庫が不要なイヌイットに冷蔵庫を売ってこそ、営業として一人前」ということですが、実はイヌイットには冷蔵庫の需要があったりします。
イヌイットの住居は暖房がきいており暖かいのですが、一歩外にでると氷の世界が広がっています。
イヌイットは自然の冷凍庫(れいとうこ)を外に持っていますが、凍らすのではなく食料品を冷やすための冷蔵庫の需要はあるわけです。
日本でも、冷凍機能がない正方形の冷蔵専用冷蔵庫が売られていますが、イヌイットの人達には冷蔵機能を持つ冷蔵庫は必要というわけですね。
若干分かりにくい話になりましたが、Kさんは「イヌイットに冷凍庫(れいとうこ)を売ってこそ、一人前の営業」というべきだったと私は思っています。
最近は、Kさんと話す機会がほとんどありませんが、今後会った時、伝えてみようと思います。
恐らくKさんからは、「そんなことを考えている暇があったら、営業に回ってこい!」と言われてしまいそうですが :-)。
< Mr. PDCAのボンジュール英語「贅沢品」=「luxury item」>
今回出てきた「贅沢品」の英訳は、「luxury item」になります。
「贅沢品だったパスタ」を英語にする場合、「Pasta was a luxury item」とすればよいですね :-)。
Today, pasta is commonly eaten all over the world, but it seems to have been a luxury item in medieval Italy.
During the Renaissance, wealthy people began to eat pasta a lot, but according to the material "Pasta and Noodles: A Global History", ordinary people took care of pasta for weddings and other celebrations.
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