PDCA日記 / PDCA Diary

継続は創造だ! / Continuity is Creation!

PDCA日記 / Diary Vol. 1,147「無傷で残っていた大和」/ "Battleship Yamato remained intact"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 1,147「無傷で残っていた大和」
 

 

私は学生に戻っていた頃、旧日本軍の戦略や戦術に関する本を読みこんでいたことがあります。

 

そのこともあってか、このPDCA日記も戦争関連の書籍を多く紹介しています。

 

中でも「自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質」は、自衛隊のトップである元統合幕僚長による資料であり、実際のオペレーションに基づく記述が盛り込まれており、一気に読み進めることができる名著です。

 


アメリカでコンサルティング・サービスやビジネススクールが発達した背景には、元軍人たちが民間企業に入って戦地での経験をビジネスに落とし込み、戦略や戦術を実践したことがあると言われています。

 

過去のPDCA日記でも紹介していますが、アメリカが過去100年以上もの間、世界最大の経済大国であり続けている背景には、戦場での実務経験を持つ元軍人や特殊部隊出身者たちが、社会のあちこちに散らばっていることがあると私は考えています。

 

行政の動きだけではなく、民間企業の行動形態を見ていても、アメリカの場合は「ゼロリスク」ではなく、「最小リスク」を選好する組織が大多数です。

 

特殊部隊のミッションを考えてみると分かりやすいですが、ある隊員が負傷して動けなくなっており、敵がすぐ近くまで迫っている時、皆様が隊長だったらどのような判断をするでしょうか?

 

仮に「ゼロリスク」を選好する場合、負傷した隊員のために全員がその場に残る判断になります。

 

その判断をした場合、敵に囲まれて部隊が全滅するリスクがありますが、「ゼロリスク」を重視するのであれば、この作戦しか取りようがありません。

 

一般的な軍人であれば、「最小リスク」を選ぶため、負傷した隊員をその場において、動ける他の隊員で難を逃れようとするでしょう。

 

「そんな残酷な!」と思われるかもしれませんが、結果的には「ゼロリスク」選好でその場に全員が残るよりも、負傷した隊員は犠牲になりますが、他の隊員は助かるため、「最小リスク」に抑えることが可能になります。

 

日本の場合、「ゼロリスクどころかマイナスリスク社会になっている」と嘆く識者もいるくらいで、「最小リスク」を議論することさえ憚(はばか)られる状況になっています。

 

常に戦争をしているアメリカと憲法に基づいて戦後一度も戦争をしていない日本という違いはありますが、「ゼロリスク」選好が社会に甚大な影響を及ぼすことは、今回の新型コロナウイルス騒動だけではなく、2011年3月の震災後の対応にも表れているように私は感じています。

 

今回紹介する資料「オールカラーでわかりやすい!太平洋戦争は、「世界を揺るがせた大戦に迫る!をキャッチフレーズにしており、「戦艦『大和』が無傷で残っていた理由」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

「大和は艦対艦の戦いを目的に造られた戦艦です。

 

しかし、開戦すると米軍艦隊は戦艦を中心に攻めてくることはなく、戦艦はあくまでも空母の護衛にあたり、航空攻撃を主体とした戦術を用いてきました。

 

こういう戦況では、大和の出番はなくなり、そのためいくつかの海戦を経ても無傷に近い状態で残っていたのです。」(引用終わり)

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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オールカラーでわかりやすい!太平洋戦争

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  • 発売日: 2015/07/01
  • メディア: Kindle
 

 

P.S. 太平洋戦争について、「無謀な戦いだった」と解説する人は多いです。

 

過去のことや歴史、他人の振る舞いについては、「おかしい」と客観的になるのは結構簡単だったりします。

 

一方、自分自身の振る舞いや所属している組織で似たような無謀なことが行われていても、「これは変だ」と自分で気づいたり、指摘することは容易ではありません。

 

1942年にミッドウェー海戦で旧日本軍が大敗した際も、大本営はその事実を隠していたことが知られています。

 

現在の民間企業が社運をかけてプロジェクトが上手く行かなかった場合、「これは失敗だった」と責任者が認め、きちんと原因分析と改善策を打ち出す組織は少数派であり、かなり難しいことであると言えるでしょう。

 

私自身もそうですが、ビジネスを行っている上で「あれ?」と感じた場合、過去に失敗した集団や敗北した組織の結果を学習してみることで、同じことを繰り返さないですむ可能性があります。

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という名言を残したドイツの宰相ビスマルクから、ビジネスパーソンである我々が吸収できることは、未だに多そうですね😊。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「無傷」 = 「intact」

 

今回出てきた「無傷」の英訳は、「intact」になります。

 

「無傷で残っていた大和」を英語で表現する場合、「Battleship Yamato remained intact」とすればよいですね😊。

 

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PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 1,147 "Battleship Yamato remained intact"
 

When I was a business school student, I read books about the tactics of the former Japanese army, and the PDCA diary also introduced many books related to war.

 

The material introduced today “Easy to Understand! The Pacific War (Japanese only)” has a catchphrase of 'approaching the war that shook the world!' and the following phrase were impressive in the part “Battleship Yamato remained intact".

 

"Yamato was a battleship built for ship-to-ship battles.

 

However, when the war broke out, the U.S. Fleet did not attack the battleships, and the battleships used only aviation tactics to escort aircraft carriers.

 

In such a war situation, Battleship Yamato's role was lost, and it remained almost intact after several naval battles." (Unquote)

 

Let's function PDCA today!   

 

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