PDCA日記 / PDCA Diary

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PDCA日記 / Diary Vol. 434「服は高いほど良い?」/ "The more expensive the clothes, the better?"

English follows Japanese.

PDCA日記 Vol. 434「服は高いほど良い?」】
 
私がフランスで学生に戻っていた頃、マーケティングの研究で有名な学校に通っていたため、授業の中で高級ブランドの戦略を中心に、色々と面白い話を聞きました。
 
ルイ・ヴィトンやシャネルなどの高級ブランドは、経済学における「ヴェブレン財(価格が上昇すると逆に需要が増加する商品)」の典型例であると考えられています。
 
過去のPDCA日記でも紹介しましたが、ヴェブレン財の場合、ブランドを提供している会社は毎年価格を上げていく傾向にあります。
 
ルイ・ヴィトンの製品を買う顧客は、ルイ・ヴィトンの広告に登場する俳優やモデルに自分を重ねているわけですね👗。
 
そのため、高級ブランドはオンラインではなく店舗販売を原則としており、「高価な製品を購入する姿を他の人に見てもらう快感」を顧客に味わってもらおうとしています。

 

 

今回紹介する資料「ファッションの社会学」は「流行のメカニズムとイメージ」を解説しており、「有閑階級」部分の以下フレーズが印象的でした。

 

「ヴェブレンは、複数の用い方を間接的に支配する法則へと論を進める。

 

これが『顕示(けんじ)的消費』の法則である。

 

ヴェブレンは『たいていの場合、これ見よがしに高価な衣服の着用者や購入者の持つ意識的な動機は、既存の慣行やいい趣味の手本とされるものに従うという必要性であり』、また『服装に関する私たちの考え方には高価がいいという要求が深く刻み込まれているため、高価でない衣服はすべて不愉快なものだと感じられる』。

 

つまり、衣服に関しては他よりも『安かろう悪かろう』なのであり、たとえ『形状、色彩、その他見かけ上の効果』について完璧なイミテーションができたとしても、それが偽物であると明らかになった途端、『その審美的価値も即座に地に落ちる。』

 

こうしてヴェブレンは、服装の第一の機能は『支払い能力の証拠』だとした。

 

しかしそれだけではなく、さらに大きな意義をも認めている。

 

『着用者が思うがままに贅沢に消費できること、その人が生活のために働く必要がないということを同時に知らしめることができるのなら、社会的な価値の証明力は著しく高まるだろう。』

 

したがって、『優雅なドレスが効果的なのは、高価であるというだけでなく閑暇(かんか:暇があること)の印ともなるからである。

 

着用者が比較的高額な消費ができることを示すだけではなく、同時に何も生産せずに消費できるのだと示しているのだ』。」(引用終わり)

 

営業などの仕事をしているビジネスパーソンや、アパレル系の企業で働いている人に今回紹介する資料「ファッションの社会学」はお勧めの一冊です。

 

それでは、本日もPDCAを回して行きましょう!   

 

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P.S. 今回紹介する資料「ファッションの社会学」は、女性の服装に関して以下のようにも解説しています。

 

「衣服が有閑階級を見分ける象徴ともなるという考えをもとにすれば、女性の盛装はそれをより雄弁に物語っている。

 

ヴェブレンは、活動を制限し、いかなる形であれ労働に従事できなくするような女性の衣服のさまざまなパーツ、すなわち移動を妨げるつばの広い帽子やハイヒールやたっぷりしたスカート、さらには『身体の活力を低下させ、女性を永久かつ明白に労働に適さないようにするための障害』たるコルセットについて、詳しく述べている。

 

そして、『女性の盛装では、着用者があらゆる卑近(ひきん:高尚でないこと)で生産的な仕事を免除されているか、それに不向きであることを証明する細かな特徴が明らかに大げさに強調されている』。

 

続いて女性の置かれている経済的立場やその原因を挙げたあと、ヴェブレンは『女性がこのように閑暇と盛装を顕示する理由は単純である。

 

それは、経済的機能が分化するなかで、女性には主人の支払い能力の証拠になるという任務が託されたからなのだ』と結論づけた。」(引用終わり)

 

今回紹介する資料「ファッションの社会学」に登場しているソースティン・ヴェブレンはアメリカの経済学者であり、「有閑階級の理論(1899年)」の中で、以下のようにも述べています。

 

「流行の衣装や娯楽から高等教育まで、消費とはいわば『他人への見せびらかし』にすぎない。」(ヴェブレン・コメント終わり)

 

 

日本では、職場で女性がハイヒールやパンプスの着用が義務付けられていることについて抗議する社会運動が起き、「#KuToo(クートゥー)」という文言がTwitterを占拠した時期がありました。

 

今回紹介する資料「ファッションの社会学」の中でヴェブレンが述べている通り、ハイヒールなどは「女性を労働から遠ざけるもの」として開発されています。

 

パンプスなどの身に着けることで働きにくくなるものを、最近になってビジネスパーソンが否定するのは当然の動きかもしれません。

 

ハイヒールだけでなく、スーツやネクタイも「労働から遠ざける(着用すると働きにくくなる)もの」であるように感じます。

 

それでも、日本の男性からスーツやネクタイから解放されるための「#KuToo運動」が起こっているという話は聞きません(マゾなのかな?)。

 

まあ、私はスーツやネクタイの世界から足を洗いましたので、関係ないのですがね :-)。

 

< Mr. PDCAのボンジュール英語「服」=「clothes」>

  

今回出てきた「服」を英語にすると、「clothes」になります。

 

「服は高いほど良い?」を英語にする場合、「The more expensive the clothes, the better?」とすればよいですね :-)。

 

 

 

PDCA (plan-do-check-action) Diary Vol. 434 "The more expensive the clothes, the better?"】

 

The material introduced today "Sociology of Fashion (Japanese only)" explains women's clothing as follows.

 

"Based on the idea that clothing is also a symbol of distinguishing the leisured class, women's dressing speaks more eloquently.

 

Vebren describes various parts of women's clothing that limit activity and prevent them from engaging in labor in any way: wide hats, high heels, generous skirts, and the corset, which is an obstacle to lowering and making women permanently and unequivocally unfit for work.

 

In women's dressing, the subtle features that prove that the wearer is exempt from or unsuitable for the familiar and productive work are clearly exaggerated.

 

After citing the economic position of women and their causes, Veblen said, 'The reason why women reveal their leisure and dressing in this way is simple.

 

That's because women were tasked with proof of their husband's ability to pay as their economic functions differentiated'." (Unquote)

 

Let's function PDCA today!   

 

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